>交換取引は、武力闘争(およびその帰結たる身分制度による私権拡大の封鎖)からの抜け道として登場した。それどころか、最初に交換関係が登場した動機は、額に汗して働くよりも、(相手にこの品物が大きな可能性を与えてくれると信じ込ませることさえ出来れば)交換によって得る益の方が、ずっと大きいからである。(「超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である」30709)
闘って勝てない相手に対し、闘わずして富を掠め取る手法として発明されたのが、交換取引という“抜け道”。(但し“交換”と言っても、幻想共認=騙しが混入されている以上、はじめから“不等価交換”なのであり、ある意味掠奪の一方式と言って良いと思う。)
・・・市場はこうした幻想共認=騙しと、その結果生ずる価格格差を原動力として拡大してきた。
そして、市場拡大と、価格格差を武器にした搾取(結果としての貧富の格差の拡大)を推し進める上で、非常に重要な役割を担っているのがマスコミだ。
単に共認非充足という弱みにつけこんで本来必要の無い快美商品を宣伝することに留まらず、最も有効な市場拡大ビジネスである戦争も、マスコミによる世論誘導なしには成立しない。
事実を隠蔽し、人々を惑わすための偽の情報を敢えて流し、人々の思想や行動をコントロールし、社会秩序を維持しようとする国家にダメージを与え、翻弄し、結果一部の金貸しの懐に莫大な富が転がり込む・・・。
また、マスコミ自身も、己はほとんど批判を浴びることなく、他者を一方的に否定し攻撃することで金を稼ぎ、メシを食っている。
これは、かつて、強大な力を持つ私権統合国家の長たる王に取り入り、巧みに話術を駆使して騙すことで富を掠め取った方法と、基本的には同じ構造なのではないか?
最も、騙す相手は一国の王ではなく、市場における私権闘争に盲目的に邁進させられている、我々一般庶民なのだが。
自らは闘わずして富みを掠め取る・・・という意味で、この「マスコミ」という存在は、はじめから闘争からの“抜け道”機能の一つとして発明された金貸し達の武器なのではないかと思えてくる。
・・・つまり、皆に事実を伝える機能など、はじめから有していなかったのだ。 |
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