「地球温暖化論のウソとワナ 史上最悪の科学スキャンダル」
伊藤公紀、渡辺正 著
出版社名 KKベストセラーズ
■本の紹介(リンク)
温暖化して本当に困る人はいるのか?怪しい数字マジックに洗脳されるな!地球温暖化問題―。その論議に隠された巧妙なトリックを暴く!
■目次
序章 温暖化の論議はいわば「環境テロリズム」
第1章 地球は本当に温暖化しているのか?
第2章 気温を変動させる原因は何か?
第3章 「異常気象」は本当なのか?
第4章 ノーベル賞『不都合な真実』の“ご都合主義”
第5章 「京都議定書」の反省から将来を望む
■著者情報
伊藤 公紀(イトウ キミノリ)
1950年福岡県生まれ、東京・横浜出身。専門は物理化学・環境計測科学。光技術を応用した高感度センサーを開発
渡辺 正(ワタナベ タダシ)
1948年鳥取県生まれ。専門は生体機能化学・電気化学・光化学。光合成のメカニズムなどを研究
■以下、池田信夫ブログ(リンク)での紹介
本書で指摘されている疑問点は、これまで当ブログで書いたものと重複する点も多いが、さすがに専門家だけに、IPCCの依拠する1次データそのものに問題があることを指摘している。具体的なデータで示されている疑問を列挙しよう。
・最近の「地表気温」が単調に上昇しているというデータは疑わしい。地表気温というのは地球上の数千の観測点の平均値だが、設置場所がずさんなため、多くの観測点が都市化によるヒートアイランド現象の影響を受けている。たとえば東京(大手町の気象庁)の気温は、20世紀に3℃上昇した(正確な値の出る観測点は日本中で3ヶ所しかないという)。またテキサス州の観測点は、2000年にビルのすぐそばに移設されたが、この年からテキサスの「地表気温」は急上昇した。
・太陽活動の影響で、気温の変化はほぼ説明できる。図2のように太陽黒点周期と気温にはきわめて高い相関がある。
IPCCもこの事実は認め、「20世紀前半の気候変動は自然現象だった」としているが、後半の変動が自然現象ではないという根拠は示していない。
・2007年以降、地表気温は急速に下がり、特に2008年の4月は、ここ数十年の最低気温を記録した。
図3はNOAAのデータだが、最近10年のトレンドは下降傾向を示している。これはロンボルグも指摘しており、特に中国では記録的な寒冷化によって大きな被害が出ている。
気象学者の「圧倒的多数」が人為的温暖化を支持しているというのは嘘である。アメリカ気象学会の2003年のアンケートによれば、気候変動の原因が人為的なものだという説に「賛成」する科学者は32%、「反対」が21%、「どちらともいえない」が47%である。
この他にも多くの具体的なデータが示され、IPCCのコンピュータ・シミュレーション結果が観測データと大きく食い違うことも明らかにされている。特に、最近の気温が下降トレンドを示している図3のデータは驚きだ。地球温暖化という傾向は幻であり、長期的な循環の一局面にすぎなかったのではないか。
(引用終わり) |
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