お医者さんだけが全ての病気を治すわけではないんだなー。
私は小さいころから、両親の『手当て』をたくさん受けてきました。
小学生のころ、急に夜中にお腹が痛くなったとき、一晩中私のお腹をさすってくれた父。普段は母がさすってくれていたのですが、何故かその日だけはずっと父がしてくれていた記憶があります。母と違い、優しさに満ちた感じの手当てではなく、手の力が強すぎて逆効果になりそうだったのですが、何故かそのときはその力強さがとても心強かったことを今でもはっきり覚えています。
つい先日2度目の大手術をした父なのですが、その時私は父の病名を聞かされていませんでした。家から往復2時間はかかる病院に毎日通い詰めいた母。私が家に帰ると母は顔では元気なふりをしているのですが、体は相当疲れていたと思います。しかし休みの日に母と病院に一緒に行った時、母は家で以上に元気な様子でした。そして手術の日。その日に初めてお医者さんから病名を聞いて私は驚きました。想像よりも大きな病気で、聴いた瞬間に涙が出てきそうでした。手術直後に集中治療室で父の様子を見て、さらに涙が出てきそうでした。しかし泣けませんでした。なぜなら、母がとても気丈な態度をとっていたからです。冗談で「なかなか麻酔から起きないからそのまま死んだんかと思ったわー」を言って笑っていました。
帰りに母と歩きながら帰っていると、母は泣いていました。思い出してみると、私が会社から帰ってみると母は目が赤かったように思います。
大きな病気を抱えた父。父以上に母は不安であったに違いありません。しかし、家では私に心配をかけないようにできるだけ元気にふるまい、病院に行けば父を勇気付ける為にいつもどおりの明るい母でいました。
手術を施したのはお医者さんですが、父が今現在家で楽しそうに笑っているのは、母の力であると私は思っています。母の明るい気持ちが通じての父の回復。手当てに代表されるように、お医者さんだけの力で病気を回復させるのではなく、相手を治したいというお互いの気持ちが通じ合ってこそ病気は克服できるのだなとあらためて強く思いました☆ |
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