生物の起源と歴史
174557 NK細胞は、幼若化したがん細胞を処分する役割を担っている
 
山崎許子 ( 30 札幌 OL ) 08/04/20 AM10 【印刷用へ
>マクロファージって、オールマイティに思えるのに、何で『NK細胞』の出現が必要だったのだろうか?(173769

 確かに、なんでだろう?…と思って考えてみました。

 マクロファージは、体の中のお掃除をしてくれる。侵入してきた異物だけでなく、死んだ体細胞も食べて処理してくれている。
 翻って、NK細胞は、体内のがん細胞に気付いて、アポトーシスさせる役割がある。
 マクロファージにとっては、がん細胞は異物ではないのだろうか?がん細胞を認識する役割をNK細胞が担うのはどうしてだろう?

 まず、がん細胞は「幼若化(=脱分化)」するという性質がある。
 細胞は、通常、未分化細胞ほど細胞周期が短くて、盛んに分裂増殖を繰り返す。普通の細胞は、分化の方向は一方向で、分化の方向に逆行するような「細胞の幼若化(=脱分化)」は、損傷した組織の再生などの場合を除き、発生しない。ところが、がん細胞は「幼若化」し、盛んに分裂増殖を繰り返してしまうのである。

 また、がん細胞の9割近くでテロメラーゼの再活性化が報告されている。
 テロメラーゼが再活性化すると、テロメアを合成し続けるために、アポトーシスすることなく、若返ってそのまま無制限に増殖するようだ。

 マクロファージにしてみれば、がん細胞とは、生きた細胞(単に若いままの細胞)であって、「異物」と認識できないのではないだろうか。

 NK細胞は、パーフォリンという物質を放出して異常細胞(がん細胞)の細胞膜に穴を開けてアポトーシスを促す。死ねなくなった細胞を適切に処分してくれる役割がある。(そしてその後はマクロファージがお片付けする。)

 マクロファージが攻撃できない生きた細胞(がん化=幼若化した体細胞)を見つけ出し、手遅れになる前にアポトーシスさせるためにNK細胞の役割が必要になったのではないだろうか。
 
List
  この記事は 173769 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_174557
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
免疫って何(6)NK細胞の働き 「生物史から、自然の摂理を読み解く」 10/05/14 PM05
230802 NK細胞は、なぜ登場したのか? 匿名希望 10/04/28 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
現代の神官=社会統合階級の欺瞞
個人主義者の詭弁 個人と自我
個人主義の責任捨象と言い逃れ
共認回路と自我回路
規範意識の形成の土台は? 
力の論理と共認機能
自我の源泉は、共認の部分否定にある
序列闘争は、共認されている
自我ではなく、共認こそ原点である
自我とは?(フロイトとラカン)
規範回路と観念回路の断層
我思う、故に我あり
漱石をねじ曲げる「奴隷」たちへ
「自我=エゴ」を制御するもの
相手尊重の意識の原点は?
歴史無視の表層的個人主義はウンザリ
共認充足がなければ生きられない
共認回路の特殊性
共認回路は個体境界を越えて情報を統合する
「自分らしさ」を理解できない人々
「心の豊かさ」に感じる胡散臭さ
規範の形成を阻んでいるもの
自己実現の「非」実現性
自我回路より共認回路の方が充足できる
“自我心理学”から“共認心理学”へ
あらゆる圧力を排除する個人主義
人類の本性は共同性にあるA
原始時代に自己中はいなかった
全体主義を生み出した犯人は、自己中
潮流1:共認原理と私権原理
私権時代から共認時代への大転換

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp