私もかつては、「愛する女はただひとりーー!!」みたいな感じに近いタイプの人間でした(勝手なことに、その「ただひとりーー」の人はそのうち別の人になるんですけどね)。
で、とある時期、最も好意を持っていたある女の人には、「男」がいました。
それまでなら、一人悶々として悲嘆に暮れてしまうところです。
ところがその彼女というのが、まるで”こいつ俺のこと好きなんだ”と思えるような態度を私に対して取るのです。
男がいるのは分かってたし、別に不仲でもないようなので「勘違い」はしませんでしたが、初めは何か違和感を覚えたものです。
でも、そのうち次第に、「まあ、別に男がいてもいいか」という、諦めとも悟りともつかない奇妙な感覚が生じてきました。
『“彼女に男がいる事”は“彼女が自分に好意を持つこと”を妨げていない』という事が確信されていくに従って、『“彼女に男がいる事”と“自分が彼女に好意を持つこと”が頭の中で矛盾しなくなってきた』のです。
すると今度はどういう訳か私の方も、男がいるいないに関係なく(性的な魅力も含めて)「好意を持てる」女の人が増えていきました。
かといって変に抑圧的になるでもなく、自分が何か非常に得な性格になった気がしたものです。
逆に、「ただ一人」を美化する為に、それ以外の人に壁を作ってしまわなければならないなんて、何だか大切な何かを切り捨てていってるような気がします。 |
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