現代意識潮流を探る
164953 支配観念に染まった規範収束の弊害
 
渡辺卓郎 ( 36 東京 設計士 ) 07/11/10 AM03 【印刷用へ
>C.多数派(欠損型)は、規範観念に収束しており、
>支配観念にも支配されている。

規範観念というものは、一見正しく、その規範に忠実であったところで悪いことなど無いように見えますが、これもまた、マスコミの共認支配による観念操作の疑いが強いように思います。

最近、食品の偽装がニュースをにぎわせていますが、では誰が腹の一つでも下したのか。昔の食品衛生状態に比べ、劇的に改善している現在、消費者の過剰要求が、普通の企業活動をどんどん不祥事という悪行に仕立てあげているようにも見えます。

まちから犯罪を無くそう、とか、子供達を守ろう、というスローガンも、反対しづらい主張ですが、何の事実に基づいているのか全く不明です。

県警が県民意識調査 “体感治安”変化なし 犯罪件数減少しても…「多くなった」82%
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↑は埼玉県での調査ですが、犯罪発生状況が「非常に多くなった」「多くなった」と答えた人が82%にものぼる、という驚くべき結果です。

実際には戦後のあらゆる犯罪はどんどん減り続けているというのが事実ですが、犯罪への厳罰化、監視カメラの設置、防犯体制の強化を求める声が後を絶ちません。

性犯罪者の前歴情報を一般にも公表すべきという声が45.9%〜治安に関する生活者の意識調査の結果、9割の体感治安は悪化〜
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興味深い調査があります。
下に挙げた調査研究で、自分の住んでいる地域の治安状況を聞くと、60%以上の人が「余り変わらない」と答えているのに対し、世の中の治安は?と聞くと、75%以上の人が悪くなった、と答えているのです。

「犯罪に対する不安感等に関する調査研究」(財)社会安全研究財団(H17年3月)
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これらの多くの人の情報源は、マスコミ、テレビ、そしてそれらが煽る不安感を元にした口コミでしょう。

自分が直接見たり聞いたりもできない世の中の状況が、マスコミという共認を支配する一部の者達によって、不正にねじ曲げられて伝えられている事例の一つです。

こうした偽情報に踊らされて、警官の数がどんどん増やされ、刑務所が乱立し無駄金が使われています。

しかし、その治安に対する不安の源泉は何か、というところに全く目が向けられていないということが、もっと本質的な問題でしょう。

治安なり地域の安全は、かつて共同体が自前で担ってきたものでした。

現在、その共同体は徹底的に破壊され、一方で税金だけ納めることで、警察など行政に自分たちでやるべき仕事を押しつけてきているのですが、実際は、その近代的な行政システムのおかげで劇的に治安が改善したにもかかわらず、9割の人たちがマスコミ情報を鵜呑みにして治安が悪化した、何とかしろ、と要求しているという、さっぱり理解しかねる状態が生まれています。

これでは、何の解決にもならない上に、要求したり運動したりしている人は、何か役に立つことでもやっているかのような錯覚に陥り、本来の社会不全に対する答えに近づくのと全く対極の活動に埋没してさせられてしまいます。

まずは、自分が事実だと思いこんでいる情報が、誰によってもたらされているものなのかを知り、その情報をばらまいている者の真意を見極めることでしか、一度絡め取られてしまった支配観念からの脱却は困難でしょう。
 
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