採集・漁撈・狩猟から栽培・牧畜・遊牧へ
154650 婚資は娘不安解消のためだけではないはず
 
√177√ ( 39 大阪 ) 07/06/18 AM00 【印刷用へ
>自分たちの娘が嫁ぎ先で苦労しないようにと娘に婚資(蓄財としての家畜)を持たせる(136533

>「自分の娘が移籍する際は肩身の狭い思いをさせたくない」「持参財(家畜)は少しでもいいものを」という親心になるのは当然(136579


・母系集団では女が移籍することはないので、女同士の結束(共認)が強かった。しかし、父系制に転換してしまうと、女が一人で他の集団に移籍することになり、しかも、各々の女の出自はバラバラなので、女同士の結束(共認)は弱くなってしまう。
・女が移籍する場合は、婚資(家畜)を持参することがセットになっていたが、婚資の良し悪し(乳が良く出ればいい等)で、嫁ぎ先の集団からの扱いは変わってくる。(婚資が少ないと良く思われない。)

母系制から父系制への転換により
・だから、母系制よりも父系制の方が、女の不安は増大する。(136002

のはその通りだと思うが、もう少し突っ込んでおきたいのが

@持参財の良し悪し=嫁いだ女の評価 と直結的になりうるのか? 
Aその女性自身の評価(性・従役)はどうなるのか?
B男女問わず集団の私益意識や蓄財意識が高まることと、いくら娘のためと言えども婚資の質や量をあげることとは相反する。そこで集団内はどのレベルで折り合いをつけたのか?

という点です。

@で言えば、封建時代に良くあった政略結婚みたいに、その女・娘そのものには何の評価もなくても出身であるとかその背後にある冨において評価されるというケースが考えられますが、それも私権時代の成熟期におけるものでこの私権時代の初期形成段階でそこまでの意識を人々が持ち合わせていたのかは疑問です。また、意識レベル(≒感情)の面での推測は現代人の脳ではなかなか厳しい面もあります。また、物的確証を得られる仮説でもないところです。

Bの疑問とも絡めて言えば、婚資の質や量の向上は、「自分の娘が移籍する際は肩身の狭い思いをさせたくない」という思いの一方で、送り出し側集団と受け入れ側集団の集団間の評価や贈与的な友好・親和関係「よろしくお願いします」的な意味合いの方が強いのではないかという仮説も考えられるのではないでしょうか?

単純に子(娘)のためにという意識も当然存在しながらも、財の移動においては「集団の維持・評価・統合」といった観点も見逃せず、娘の不安解消のみに婚資の増加が図られたわけではないという点も無視できないと思います。
 
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