私権社会の婚姻制
136928 女移籍による[女の不安⇒私有意識」も集団から個人へと段階があったのではないだろうか?
 
大木康子 ( 55 山口 主婦 ) 06/11/09 PM06 【印刷用へ
>C女移籍→女たちの不安が大きくなると・・・
・嫁いだ女が母親になると、「自分の娘が移籍する際は肩身の狭い思いをさせたくない」「持参財(家畜)は少しでもいいものを」という親心になるのは当然で、そのためにも、男たちにもっと家畜を増やすように、もっと縄張りを拡大するように期待してゆくことになる。
・この期待は必然的に、氏族内の蓄財意識を生み出し、しだいに自集団の私益第一の様相が強くなってゆく。(136597)

 遊牧民族が女移籍の父系制をとったのは、過酷な移動生活での集団維持のため。ここで女移籍の際の「女の不安」は、出産・子育ての生殖存在としての不安である。この時代に上記の「自分の娘が移籍する際は肩身の狭い思いをさせたくない」というような意識は、果たして存在しただろうか?

 遊牧民族の小集団の間では、徐々にヒエラルキーも形成されてきているだろうが、父系制にしても女移籍にしても、集団にとっての利益最優先であって、「自分の娘」や「嫁いだ娘への親心」といった意識はまだなかったのではないだろうか?あったのは「自集団から他集団へ移籍した女の子」であり、「他集団の中での待遇への不安を抱くこと」だと思う。従って、この不安を少しでも無くし、立場を有利にするための婚資(家畜)を増やすための私有意識・蓄財意識を、個人ではなくあくまでも集団としてのものだったと思われる。

 遊牧民族については、実現論【第二部:私 権 時 代 イ.人類の同類闘争=性闘争から掠奪闘争へ】(実現論2_1_01)に述べられている。         
  
 >遊牧は、羊を連れて小集団(小氏族)で独立して移動する生産様式である。しかも、遊牧部族は移動≒闘争集団ゆえに男原理の父系集団となり、元々の母系の勇士婿入り婚は父系の勇士嫁取り婚に移行している。その婚資(結納)は相当数の家畜である。従って、その小氏族=大家族そのものが、蓄財(家畜を増やすこと)を第一義目的とした私益集団的な色彩を帯びている。とりわけ、女は闘争集団に対する収束力が極度に貧弱であり、自らが生まれ育った生殖集団=闘争集団においてはじめて集団に全的に収束できるのであって、嫁ぎ先の闘争集団に全的に収束するのは困難であり、多かれ少なかれ集団との距離を残している。実際、他所者の妻たちは、夫々が別々の小氏族の出身であり、実家の小氏族を基盤にして自らの存在権を守っているので、嫁ぎ先の小集団に対して夫々に私益存在的な色彩が強くなる。その上、羊さえ連れてゆけば小単位でも生きてゆけるので、規範破りの不倫駆け落ち集団が発生し易い。<

 遊牧民族の女移籍による「女の不安」が、初期では集団を母体にしたものであり、私有・蓄財意識も集団に根差したものであっただろうが、上記にある「不倫駆け落ち集団」の発生から、性的自我が形成されて以降、自我に基づく私有意識・蓄財意識へと変わっていったのではないだろうか?
 
       
 
List
  この記事は 136597 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_136928
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
152461 遊牧集団における女の役割って? happy 07/05/24 PM06
137902 「共有財産」から「私有財産」へ 三輪歩未 06/11/19 AM03
137255 父系集団における私有意識の顕在化 村田貞雄 06/11/12 AM09

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp