3.旧人段階(約60万年前〜3万年前)
ホモ・ハイデルベルゲンシス→ホモ・ネアンデルターレンシス
脳容量平均 :約1500cc前後=現生人類より大
石器の使用 :万能石器(ハンドアックス)→剥片石器
生息域と移動状況:アフリカ→中央アジア・ヨーロッパ
旧人と現生人類(新人)の境界・区別は極めて曖昧であり、明確に区分できないと考えるが、ここでは時代状況を踏まえる為区別して扱う。
旧人段階では、脳容量約1500ccと現生人類を上回る程の脳容量に発達している。前頭葉・ブローカー野も現生人類と遜色がなく、使用していた石器も初期新人と大差がない。また、この頃から火を管理するようになる。後期には狩猟生活も行っている。これらのことから新人とほぼ同程度の観念機能を有していたものと考えられる。言語機能も発達していたが、新人に比べると言葉の数(音)は少なかったと考えられている(喉仏の位置が新人の方が高い位置にある)が、事の真偽は怪しい面もある(4997)
旧人も、猿人・原人と同じくアフリカで生まれ、その後中央アジア、ヨーロッパへと広がっていく。旧人が拡散を始めたと考えられる60万年前は、ドナウ氷期に当たり、原人の頃と同じく、やはり急激な乾燥化→食料不足が起こったと考えられる。
旧人も原人と同じく、食料不足から可能性を求めて中央アジア・ヨーロッパへと広がって行ったのだろう。
旧人は、アフリカに残った原人=ホモ・ハビリス→ホモ・エルガスターが進化したと考えられており、原人段階で獲得した観念機能をより一層進化させている。これは、後述する新人段階にも言えることだが、外圧を逃れて大陸移動した原人より、アフリカに残った原人の方が、より高い外圧状況=逆境状況にある為、さらなる適応可能性として獲得した観念機能に収束→発達させた為と考えられる。
なお、ネアンデルタール人は約3万年前(一説では1万年前)まで生存しており、ヨーロッパに到達した新人と遭遇していた可能性は高い。
新人と旧人が交配した可能性もあると考えられているが、53073の北村さんの投稿によればその可能性は低そうである。 |
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