生物学を切開する
12659 情報の階層について、その5(場の転換)
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 01/10/04 PM02 【印刷用へ
前回の続きです。

>…それでは、場が変動(情報が変動、あるいは階層が寸断)すれば、その拘束条件を受けていた生命体(集団)は一体どうなると捉えればよいのでしょうか。大きな変動であれば、おそらく絶滅したでしょう。しかし明らかに、生命体は進化適応してきたわけで、場の変動に適応的なわずかなものだけが存続してきたのだと思います。<(12499)

場という考えで情報を捉えなおしてみます。まず一つは、場は情報の階層を包摂したものである。だから、場の情報は秩序化のベクトルを持っています。非生命体との場というものは生命発生以前の地球環境ぐらいしか思いつきませんが、おそらく気象条件にしろ物理的・化学的条件にしろ絶えず情報のゆれを持った場であったでしょう。それは逆に現在の生命体が創発的秩序能力の高いことからも類推されます。ましてや、生命の発生以降、ある生命体(集団)を取り巻く外圧環境には必ず他の生命体(集団)が存在しているわけで、場そのものがかなりの変動情報(ゆれ)を備えているということを意味します。それが最下層の場であり、その場の規制(拘束)あるいは場の圧力と捉えてもよいと思いますが、それを受けたものだけが生命体として場に登場し存続できたと思われます。つまり、場は基本的には揺れるものであって、そのゆれ情報をキャッチし応答できるものだけが生命体として存在を許されるということ。生命体の例えば感覚器(受容体)は、そのゆれの範囲を受容できる(ゆれを認識できる)機能を持ち合わせているということでしょう。場の秩序化、生命の適応とは固定化とは全く違うイメージが必要です。我々が安定と呼ぶ適応戦略は、恒常的に揺動している常態の方が適切なイメージだと思います。上皿天秤のつりあった時の針の動きみたいなものでしょうか。絶えず探索している状態が正常状態と捉えても良いかと思います。

場の変動(言葉としては転換の方が適切かもしれません)という観点で。例えば巨大隕石が地球に降り注ぎ、一気に地球の温度が下がるとか、例えばそういうことで繁殖を誇っていた生物種のほとんどが一気に絶滅したとか…そうなると、場の情報のゆれの範囲から場の情報ループの破壊あるいは情報階層の寸断という事態が発生します。場とともにほとんどの生物は死滅せざるを得ないでしょう。しかし、現実に突破してきた生物種がいるわけですから、これはいったいどのように考えるべきでしょうか。

古い情報場から新しい情報場に転換し、それに適応する生物種ということは、二つしかない(それでも極めて稀だと思いますが…)のではないでしょうか。生命体の中に旧情報と新情報のどちらにも応答できる特殊な情報階層を持ち合わせていたか、生命体の中(内部環境)で旧から新への場の転換(自らの内部から転換)が行われていたということしか。まず、前者は情報のシステムとしては進化を止めた生物であり、後者は進化を促進した生物ということになりますが、続きはまた今度考えます。(う〜ん。少し形式論理的になってきましたか…。直観的には前者がウィルスのような極めて単純なシステム。後者が人類のような複雑なシステムを持ったものと思うのですが…、さてどうでしょうか)
 
List
  この記事は 12499 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_12659
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
12832 「生物的な知」と「機械的な知」 斎藤幸雄 01/10/05 PM11
12723 RE.情報の階層について、その5(場の転換) 山本豊 01/10/04 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp