『飛騨白川郷の大家族』(4993)の事例は、貧困が消滅する前の事例ではあるが、この事例を踏まえての現代ママさんの面白い実感が、以下のような内容だった。
『この感覚、自分自身でも意外で面白く感じたので公園ママ友達に話した所、皆「あげるあげる〜」と言う答えでした。きっと子供産む前だったら、「え、よその子に母乳あげるって、どんな感覚?」てびっくりしただろうと思う。それまで、私が知っていたのは、私権や個人の観念に基づく育児だったから。』(39109)
貧困が消滅した現代社会においても、乳を自分以外の子供にあげるという形式には違和感がないようだ。しかしながら、乳をあげるという行為は、容認出来たとしても一夫一婦制という帰属集団を根底にしている。
更には、『企業内保育事業の試み』(34940)や、最近流行りのママさんカフェ、育児休暇制度などどれを採ってみても、女の人ばかりが中心になっており、どこにも男性は介在していない。
僕の身の回りに話を引きつけていうと、彼氏がいる20代の女性に話を聞いても、『男は信用できないから、自分ひとりで生きていくお金を貯めないといけない』とか。就職を控えた大学生だと『将来が不安だから、育児休暇制度というものを社内で整備されていますか?』とか、『自分ひとりで子供を育てるのは不安だ。』という現代の女性が誰もが持っているであろう社会不安発の投げ掛けがどんどん出てくるという具合だ。
上記の事例をまとめると、
@共同保育には、可能性を感じる。
A男の存在理由が薄れてきている現代社会の中において、
男に依存したくても依存しにくいのが現状だという内容だ。
(露店で、いい男がいないのはなんで?という理由が出てくるのもこの理由に伴うものとなっている。)
だから、育児支援などの制度リンクや企業内保育・ママさんカフェという流れの中でどうにかしようという流れになる。
しかしながら、別の見方をするといい事例ではないが、最近あった事件で一つの可能性を垣間見る事が出来る。それは、最近あった一夫多妻男の話だ。
男が、社会的役割を果たしていないゲス男であるから、その点は一端棚上げにしておきたいのだが、彼の廻りに集まってきた20代の女性達の話である。十人の妻は、今も尚女達だけで共同生活をしており、自分達の意志で集まっていると言う。上記に列挙した社会不安が若い女性達に重くのしかかっている中で、渋谷容疑者は上手い事マインドコントロールできたのかもしれないが、僕が着目したいのはそこではない。女達が、先にあげた社会不安を克服する為に、集い課題共認していたことだ。
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ここで、更にまとめると一夫一婦制という一対幻想が弱まる一方で、男の存在意義も失われつつあるということだ。でなければ、このような社会的役割も担わない下衆男に女の子達が集うわけがないのである。
更には、共同体が個々人レベルまで解体された現代社会という枠組みの中において、心の不安を取り除く唯一の場所が、
Bとして挙げられる『女共認の場所』という風に見ることが出来る。
これは、@Aに挙げたママさんカフェという事例などもその一つとして挙げられる。
では、どの事例も男が不在なのは何故なのか?
男性がどの事例にも参加していないと言える。ここで、私が言いたいのは、何も男が子育てしろというのではない。現状のような子育て支援をしろというのではない。男とは本来集団を守るための闘争存在である。現代社会の中において闘争する場というのは、企業に他ならない。現状は、企業とは関係のない個々人の家庭や子供を育てる為に、企業は給料を支払っている。
今後は、企業集団のあり方自体も問われるのかもしれない。
企業という闘争集団に包摂された家族を守るために全社員が数パーセントずつお金を出資し、子供を育てていくという共同保育の形態も可能であろう。その時に需要なのはまさしく、自分の子という観念を捨てて、皆の子供達をどう育てるかという課題共認が必要になってくる。
現代社会の男女関係は、時系列を短く見ればその関係は、複層化しており、昔のような恋愛幻想・一対収束というものが、貧困の消滅と共に弱まっている。昔あった許婚規範に対するアンチのエネルギーなどの衰弱ともいえるが、最近の離婚率の増加や晩婚化・少子化の流れをみれば一目瞭然だろう。
結婚をする。子育てをする活力が衰弱している。
ここで、企業単位ごとの共同体保育で培われる発想の転換を提案したい。
ある特定の男性に対する幻想は衰弱するばかりであり、闘争企業集団を基軸とした新たな家族形態のありかたが、今後求められるのであう。
もちろんの事ながら、女達は単なる子育てだけでは、課題不足であろうから、それなりの収益が得られる社会課題が必要になる。
例えば、都市部であるならば、英語を教える先生などの塾関係・営業関係・なんで屋などの社会的役割が考えられるだろうし、都市郊外ならば、農業などでインターンシップを行なうなどの役割も考えられる。
最後に、何よりも大事なのは、闘争集団(企業)内に包括されているんだという安心基盤を作ってあげることと、女の役割を作ってあげること。そして何よりも子育てそのものが、闘争集団内において、重要課題化されることが必要だと思う。だから、お金を出せばそれでいいという現行制度には違和感を感じるのである。 |
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