次代の活力源は?
102099 世田谷地域風景資産〜みんなで創る地域風景〜
 
小林有吾 ( 25 東京 設計 ) 05/12/06 PM06 【印刷用へ
 世田谷区に「地域風景資産」という制度があります。この制度は、今まで様々な地域で「風景100選」等、地域の人が選ぶ風景と言ったことはやられていましたが、この制度は、皆で風景を創って行こう。という点で画期的だと感じるので簡単に紹介させていただきます。

・「地域風景資産」とは、なんぞや?
「地域風景資産」とは、それらの風景を語る上で欠かすことのできない建物や構造物、緑の風景を特徴づけている大切な要素です。
つまり、一人ひとりが大切にしていきたいと考えている風景の中で、特にみんなが大切だと思えるものが地域風景資産というわけです。
 例えば、○○一丁目の道の風景がいいと思ったら、地域風景資産は、その道を特徴づけている「桜並木」だったり、「連続した生け垣」だったりする訳です。リンク

ここで重要なのは、「みんなが良いと思ったもの」、「身近なもの」という点でしょう。

・選定方法
地域風景資産選定には、様々な人が登場します。

1)推薦人
風景づくりの主役になる人。区報の募集により、身近な風景を推薦しその後サポーターと「風景づくりプラン」をつくり提出する。選定後は、風景づくりの活動人として、現場活動を進める。

2)サポーター
推薦された風景を実際に現場で確認し、推薦者にその風景の中で何を風景づくりの核(地域風景資産)とすべきか、どんな風景づくり活動ができるのかをアドバイスし、風景づくりプランの作成を手伝う役割。推薦された物件の近くに住む区民が担う事が多い。

3)選定人
提出された風景づくりプランの内容を、現場に出て確認し、選定評価を行う役割。風景づくり講座を受講した区民と、現場の職員と、選定プロセスをよく知るフォーラム参加者の3人一組で構成され、一組3物件程度を担当。

4)審査人
様々な現場から集まった選定人による選定評価を、公開選定の場で全体のバランスを見ながら総合的な評価をする役割。区の幹部系職員や学識経験者、公募による区民によって構成されている。

以上の4つの役割が存在します。ここで注目すべきは、サポーターの存在でしょう。推薦人は、いくら自分一人でこの風景が良いと主張したところで選定されません。そこにサポーター(支援者)を探し、一緒にその風景を守り育てていける人達を探して「風景づくりプラン」を作成します。そのようにして初めてその場所が地域風景資産に選定されるのです。(リンク

このようなプロセスを経て様々な人々にその場所の風景を認められた結果、めでたく地域風景資産に選定されることができるのです。みんなで選定した地域風景資産だから選定後も活動が生れるわけです。プロセス段階から参加することで、当事者意識が生れるのでしょう。これらの事から、従来の押し付け型から、「みんなで創る」という点で新しい社会の動きの萌芽を感じました。

 世田谷区においては、まちづくりファンド等、従来からこのような活動が多く行われている地域なのですが、今後、日本全体にこのように地域の人達が当事者として自分達のまちを創っていく(最終的には、日本を創っていく)事のできる一つの可能性を感じた次第です。
 
List
  この記事は 44391 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_102099
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、49年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp