マスコミに支配される社会
98533 アメリカ発『世論操作』
 
吉国幹雄 ( 53 講師 ) 05/10/05 PM04 【印刷用へ
日本のメディアはNHKから民法まで、アメリカに世界の情報ソースを抑えられていることもあって、アメリカ発の情報を事実報道として垂れ流ししていることが多い。が、実はこの情報自体にアメリカの『世論操作』があることを押さえておく必要があるだろう。

>最初の現代的な世論操作から話を始めることにします。米国では、ウッドロー・ウィルソン政権の時代にさかのぼります。ウィルソンは、1916年、「勝利なき平和」を唱えて大統領となりました。第一次世界大戦のさなかでした。当時、米国民は極端な平和主義者で、ヨーロッパの戦争に参加する理由を何一つ認めていませんでした。一方、ウィルソン政権は戦争に荷担していたので、国内のこの平和主義を何とかしなくてはならなかたのです。そこで政府は、クリール委員会という政府の世論操作委員会を設置しました。この委員会は、設置後6ヶ月のうちに、平和主義の国民を、ドイツのものは全て破壊し、ドイツ人を八つ裂きにし、戦争に出かけて世界を救済しようと望むヒステリックな戦争屋に変えることに成功しました。<『メディア操作・世論操作の目覚しい成功』
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上記は言語学者でもあるノーム・チョムスキーの著作『メディアコントロール』からの引用であるが、この「クリール委員会」がアメリカ内部の世論操作は無論のこと、特に映画を通じて海外へ「世界のアメリカ化」を形成するための最初の機関である。後に「USIA(米国情報代理店」へ引き継がれ、現在国務省に統合されているが、彼らの役割とはパブリックディプロマシ−である。
*パブリックディプロマシ−:「外国の市民を理解し、情報を与え、影響を与えることと、米国の市民や組織と海外のカウンターパートとの対話を促進することを通じて米国の国益と安全保障を高めようとする(旧USIAの定義)」政府の活動である。
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このパブリックディプロマシ−の特徴は、情報提供活動と教育・文化交流を包含するところにあるようだが、ウィルソンが設立した「クリ−ル委員会」発足時から、教育学者デューイなどの「社会の知識階級層」を登場させて御墨付きを与え一般大衆を鼓舞するやり方だ。つまり、「国家による組織的宣伝は、それが教育ある人々に支持されて、反論しがたくなったら、非常に大きな効果を生む」というのは現在でも通用する教訓である。つまり、情報提供(嘘)=メディアと教育(洗脳)制度は「世論操作」に欠かせない両輪でそれを保障するのが知識階級というわけだ。

具体的な事例としてチョムスキーは次のような点を上げている。もちろん、「デッチあげ」「捏造」情報は前提としてだが。

・ストライキ鎮圧に対する組織的宣伝は、公益に反する社会分子だと思わせるのがねらい。「全員が共生できるように、私たちは彼らの活動を止める必要がある。みな同じ利益を共有している。私たちは調和を保ち、ともに愛し合いながらアメリカニズムのために働けるはずだ」と、メッセージを広める。(「モホークヴァレーの公式」というらしい)
つまり、誰も「調和」や「アメリカニズム」に反対することはできない。つまり、実体のないものには反対しようにも反対しようがない。倒錯した感応観念は否定しようがない。先だっての選挙で鼓舞された「民営化」は、中身・実体がないから(中身・実体を明らかにしてないから)反対されない、ということだろう。これらの感応観念を何度も繰り返し繰り返し広報されることで、中身・実体がないことすら考えなくなる。

・何であれ「大衆を怖がらせれば勝ちだ」。拷問の様子やテロを取り上げて、大衆に恐れを抱かせ、それを解決することが正しいことだと認めさせる。盛んにテロを取り上げて、他の事実を捨象してそれが全てであるように鼓舞するのは何も今に至ったことではない。アメリカの常道手段である。ベトナム戦争しかり、日本の原爆しかり。「平和のため」「侵略者のための防衛」というおかしな論理が成立する。

アメリカの考える民主主義とはリップマンの言葉に代表される。
>「一般の人々は共通の利益というものを全く理解しない」ので、ものごとを処理できるスマートな責任ある特別な階級の人々がそれを理解して管理しなくてはならない<
少数のエリート(デューイが言うところの知識階級)は、私たち全てが共有する共通の利益を理解することができるが、「一般大衆」にはそれらは理解できないというわけだ。大衆は「とまどえる群れ」である。彼らは「観客」にとどまることが理想であり、唯一参加できる行動は「特別階級の知識人」を選ぶ(選挙)することである。

「観客(傍観)民主主義」…その実現のために大衆をそのように導くこと、それがアメリカの統合階級の考えである。この民主主義とはまさに全体主義ではないか。その実現=彼らの公益=私権獲得のために世論操作が今でも行われている。

報道される記事の内容も何が報道されるかもしっかり見極めないと、容易く洗脳されていく恐ろしさを感じる。
徹底して事実は何か、事実を明らかにする新しい共認媒体が求められる。大衆自らが新しいメディアと政党→統合組織を実現するしかないだろう。
 
 
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