アメリカ→官邸→マスコミによる支配
98508 ODA…そしてIMF・世界銀行の真の意図は…?
 
tanvool HP ( 会社員 ) 05/10/05 AM01 【印刷用へ
ODA(政府開発援助)というのがありますが、数年前まで、日本もなかなかええことをしてるんやな、と能天気にも思っていました。

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でも、この本『SEED』(ラデック・鯨井:本庄 敬 集英社)を読むと、かなり問題がありそうな感じがします(慎重に判断したいところですが)。

どうも、こういう事が行われているようです。

発展途上国は、資金を低金利とはいえ3%前後で貸し付けられて(与えるのではなく借金をさせる)、先進国が「近代化が遅れている」と勝手にレッテルを貼った地域をターゲットに開発していきます。

ダム建設や農地の大規模開墾や圃場整備などは、日本のゼネコンが受注してそこが中心となって行われることが多いようです。また、近代農業に必要な農業機械や化学肥料、生産性が高い(とされる)種苗なども、日本の機械メーカー・化学・製薬メーカー・種苗会社から購入されます。

政府が発展途上国にお金を貸しておいて、そのお金で日本企業ががっぽり儲ける(日本に戻ってくる)、というからくりです。

開発が終わったあとも、農業機械のメンテナンスや部品、そして燃料などを先進国から買うために、現地の人々は借金を続けなくてはならず、またそうして収穫した農作物はたいていの場合、激安の値段で買い叩かれることがほとんどなので、現地では借金で首が回らなくなる人々が続出します。実際、そのようなことになって、燃料を買う金もメンテをする金もなくなって放置されている農業機械(給水ポンプやトラクターなど)が、アジアのそこここにゴロゴロ転がっているそうです。

日本の援助によって作られたダムが、土砂災害や、下流の漁業に大被害を与え、現地の人々の生活に大打撃を与えている例もあります(スマトラ島のコトパンジャンダム) 。

あと、「緑の革命」 リンクの深い傷跡から立ち直ろうとしているバングラディッシュは有名ですね。

実はこの背後には、IMF・世界銀行(その背後にはアメリカ)の意図が巧妙に隠れています。少し長くなりますが引用します。

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(「途上国はなぜ飢えるのか」Blog:報道写真家から)

>IMFや世界銀行の融資というのは、使用目的が制限されている。たいていの場合、農業や教育といった分野には使えない。食料生産を伸ばしたくても、農業にお金をまわせない。ただし、融資金を輸入食料の購入に当てることは許されている。そして、その場合の食料購入国もあらかじめ指定されている。要するに、アメリカや先進国から買わなければならない。隣国で小麦が豊作であっても買えないのだ。

>IMFによるこうした理不尽な制約を「コンディショナリティ:付帯条件」という。いくら理不尽でも、これを承諾しない限り、融資は受けられない。途上国には、選択の余地も交渉の余地もない。こうして、融資を受ける途上国は、100余もの付帯条件を甘受する。先に書いたように、農業や教育、福祉、医療といった分野には一切使えないよう条件が付けられている。それでも、無いよりはましと途上国は考えた。しかし、「コンディショナリティ」とは、罠以外の何ものでもない。

>IMFや世界銀行の融資というのは、鉱工業などの資源開発分野に集中していた。鉱物や石油・ガスの開発と輸出だ。また、それらに付随する産業や輸送手段の整備といった分野も含まれる。アメリカが必要とする膨大な原料や燃料を開発・輸送することに限定することによって、農業生産力をも奪うことできた。

>もともとの農業人口の多い途上国の労働力は、必然的にこうした分野に流れた。途上国の農業の衰退がはじまる。農業生産力が落ちた分、途上国政府は、融資金で先進国の農業製品を輸入するしかなかった。

>農業の衰退が進むと農産物の価格は上昇し、安い輸入品と競合できなくなった。農業生産で生活できなくなった農村人口は、都市へと流れ始めた。人口は時と共に都市に集中し、農業の衰退はさらに進むことになった。したがって途上国政府は、農産物の輸入を増加せざるを得ない。途上国の農業衰退と食料輸入は構造的なものになり、歯止めが利かなくなってしまった。
 

こうして彼らの思惑通り、資源は安くアメリカに入ってくるようになり、自国の農業生産品まで途上国に売りつけることができるようになり、ついでに自国の建設業者や農薬・種苗・肥料メーカー・農業機械メーカー・エネルギー企業が潤うことになった。

しかも、これらのエゲツないことを、途上国になんとなく「いいことしてやってる」と思い込ませながらやるわけやから、実に見事というしかない。途上国の悲惨な現状を助け、彼らの「人権」を守る、なんていう欺瞞観念で周囲を洗脳して、そういう大義名分で大儲け。“詐欺”もここまでいくと芸術的って感じです。

アマゾン.comに寄せられたこの本の書評の中に、こんなくだりがあります。

>日本のODAは女子高生と援助交際をする援助オヤジと同じレベルなのだ。自分の快楽しか考えず金を出すオヤジ。その援助のせいで女子高生は自立を妨げられている。日本とインドネシア間のODAもそう。日本のODAの場合、さらにタチが悪いのは金をやるのではなく利子がつく金貸しであること。結果、現地の住民はもともと豊かな暮らしをしていたのだが、援助の美名のもとに生活を破壊されるのである

「日本のODAは援交するオヤジと一緒」。厳しい指摘ですが、事実の一面を言い当てていると思います。

しかし一般には、日本のマスコミ等のメディアも、なんとなく発展途上国を支援する行為は「いいことだ」と報道しているし、社会常識もなんとなくそうなっている。そして、漠然と「何か役に立つことがしたい」という気持ちを持つ若者を、短絡的「豊かになりたい」という一部の現地の人々の要求に応える行為に向かわせる。せっかくの、「途上国の人たちの役に立ちたい」という若者の純粋な意識が、結果的には、現地の人々を欧米型の「市場システム」に取り込み、現地の生活環境や共同体を決定的に破壊することにつながっていく。そして若者たちの「役に立ちたい」という意識は、農業や生活を破壊された人現地の人々の恨みや憎しみとなって戻ってくる。彼らが洗脳に用いる、“人権”や“豊かさ”などの欺瞞観念を剥ぎ取り、徹底的に事実を明らかにする必要性を感じます。
 
 
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