戦争の起源
96621 掠奪闘争と部族大移動の概観A
 
井上宏 ( 39 建築コンサル ) 05/08/30 PM10 【印刷用へ

B第三次大移動(2700年前〜1400年前頃)

農耕地帯で形成された国家から締め出された掠奪部族は、遊牧を行いながら草原地帯で闘争を繰り返し力を蓄えていく。
とりわけ約2700年前頃、おそらく中央アジアのイラン系の遊牧民サカ、スキタイにおいて騎乗技術と騎射が確立し、機動力を持った遊牧軍事集団が成立。
広域の部族を武力統合することが可能となり強力な部族連合→遊牧国家の形成が可能となった。第三次の大移動とは、この機動力をもった遊牧軍事集団の侵攻に他ならない。

このような騎馬軍団と遊牧国家のシステムは、中央アジアから東西につながる草原の道を通って各地の遊牧部族に伝わり、東西で強力な遊牧国家(exスキタイや匈奴)を形成していく。

・中央アジア〜コーカサスの遊牧諸族サカ、スキタイの遊牧軍事集団成立(2700年前頃〜 主にイラン系)
  →南へ:遊牧民のキンメリア人を追い出し、アッシリアを圧迫
  →西にて:アケメネス朝ペルシャを圧迫、スキタイ・ペルシャ戦争
       (ペルシャの敗退)
  →東方へ:中国北方のモンゴロイドへ遊牧軍事システムが伝播。

・中国北方のモンゴロイド諸族(匈奴、月氏、鮮卑など 2300年前頃〜
 主にモンゴル系、トルコ系)の侵略闘争。
  →南方へ:中国、朝鮮を侵略(2300年前〜) 
       → 朝鮮を経て日本侵略(1700年前) 
  →西方へ:玉突き的にフン族の西方移動(1800年前) 
       → ゲルマン諸族の大移動(1600年前)
       →ゲルマン諸族はローマ帝国侵入し西ヨーロッパに定着
  →西南方へ:突厥(トルコ系)の中央アジア移動(1400年前)
       →中央アジアの遊牧騎馬民族エフタル滅亡
       →その後小アジア、インドへ侵略

とりわけ、スキタイや匈奴は強大な遊牧軍事集団を形成、それに対応して防御側のペルシャや漢も軍事力の強大化を図り、大帝国を形成していく。一方、遊牧部族による侵略闘争の波は、朝鮮半島や日本などユーラシア大陸の端まで到達していく。

この第三次大移動が終わった1400年前ごろには、ユーラシア大陸の中央部を除いて、概ね世界の民族分布が固まってくる。
※但しユーラシア大陸中央部の草原地帯からの遊牧部族の侵略・支配は、13世紀ののモンゴルの世界征服事業、17世紀清の成立など、近世まで波状的に続き各地で支配→混血を繰り返した。(要は、火器による武力が騎馬軍団の武力を上回るまで続いた。)

 
 
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