健康と食と医
85383 母乳の喪失
 
喜田育樹 ( 31 デザイナー ) 05/02/09 AM01 【印刷用へ
アトピーやアレルギー、喘息。
つい数十年前までは殆ど耳にしなかった病気だが、今では乳幼児、小児の3〜4人に1人は何らかしかのアレルギー素因を持っていると言われるくらい、当たり前に耳にする名前になっている。

アトピーやアレルギー、喘息といった病気はそもそも先進国に特徴的に現れている。アトピーに関しては、日本では1960年にはじめて日本に登場して以降、70年代では主に小児のアトピー、80年代には成人アトピーが顕在化していくという道のりを辿っている。アレルギーや喘息に関しても概ね戦後の日本の歩みと共に現れてきた現象だとみて間違いないと思われる。

故にこれら症状の外因要素として、戦後の排ガスや工場大気汚染などの「工業化」、GHQ先導の食料戦略による牛乳、卵、肉の普及といった「食生活の変化」、また近年ではダニや埃、建材に含まれる接着剤など化学物質の気密化を招いた「都市化」などは、やはり大きく影響しているだろう。
また、自然離れが加速し、無菌抗菌を良しとする環境が、免疫機能の変化を起こしている事も内因要素として着目すべきポイントだと思う。

しかし、アトピー等の免疫系の症状を考えるうえで重要なポイントになるのは、やはり母子関係の変化ではないかと思われる。

乳児が免疫物質を獲得していくのはまず母乳からはじまる。(特に産後3日までの初乳には免疫物質が多量に含まれている)これは、人類に限らず哺乳類全てに備わっている営みで、出生時の約3倍になるまで母乳によって成長し、その間に必要な免疫機能を獲得している。そして、母乳期が終わり離乳期以降も、歯や顎の力が十全に働くまでの間は、母親が食べ物を口で細かく砕き子に与えるという行為のなかに、母親の持つ免疫物質が伝達されていっている。
この哺乳類全てに備わっている営みが、母乳からミルクへ、口移しから離乳食へと、なくなっていった事が免疫系の変化に大きく影響しているように思われる。(他の動物の乳を飲むのは人間だけだが、その悪影響も大きいよう)

また、母乳、口移しの喪失は、即ちスキンシップの喪失とも繋がり、充たされない親和欠乏⇒欠乏の否定、封鎖回路が、自己免疫機能の変化(47433)を促している可能性は大いにあると思われる。

人工物質の問題とは、本来、本能や共認に備わっている重要な機能を、観念によって阻害してきた問題なのかもしれない。
 
 
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http://mono.hiho.jp/blogn/?eid=17 「Environmental Online」 05/02/14 PM10

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