人類の起源と人類の拡散
84144 赤松啓介
 
沼田竜一 ( 45 エンジニア ) 05/01/17 PM09 【印刷用へ
赤松啓介という人は相当な人ですね。とても今の学者には無い現実を対象化した人物だと感じます。日本人の庶民文化、特に性に関しては彼の業績以上の物がほとんど見受けられない感じです。日本の歴史における庶民文化の重要性を理解する人が増えて、もっといろんな事実が出てくることを大いに期待したいところです。

幾つかの投稿はほとんどが赤松啓介の本がベースになっていると思いますので、私も読んでみたいと思っています。ネットの中にも、赤松啓介に共感(おどろきといった方が近いかも)し、日本人の性に関してパラダイム転換を図るきっかけになっているようですので、紹介しておきます。

以下、リンク から引用。

著者・赤松啓介は昭和10年代に反戦活動と郷土研究をやっていたという曲者。
特高の目を逃れるために行商人となって各村落をまわりフィールド・ワークを行ったワイルド・ガイでございます。彼の目を通した村人たちの姿は非常に生々しく瑞々しい。

雨の夜、仲間の家に集まって馬鹿話をする若衆たち。
「お前夕べ、ウチのお袋のとこ来てたやろ」「えー知らんでえ」「ウソ言え。で、どうやった?」
「俺の妹がお前に会いたい言うてたで。最近ご無沙汰らしいな」「いやーお前の妹イマイチやしなあ」
「俺今日留守するから、嫁のとこに来てやってよ」「わかった、行くわ」とまあこんな感じ。
そゆことしてると当然父親不明な子が生まれますわよね。それを「こいつ全然俺に似てないやろ?」と笑いながら育てる夫。そうして育った子は13歳になると公式に「大人」の仲間入りをしますが、いまいちモテない子は、しかたなく父親母親が相手をするという。まあ村ぐるみで入り乱れております。もちろん一定の規律はありますが。

辛い農作業を助け合って行わなくてはならない人々にとって、手軽な娯楽、共同体としての一体感を高める手段として不可欠なことだったとはいえ、かなりなカルチャー・ショック。
著者の実体験も交えた微にいり細にわたる描写は都合により割愛させていただきますわ。

こういう事実が歴史の闇に葬られた背景には、明治維新以降の国の政策があります。
もともと神道には性器崇拝の色が濃いらしいのですが(みうらじゅんの好きな「とんまつり」とか、各地の秘宝館の収蔵物件になごりが)、対外政策としてそういうのは「なかったこと」にされたという。この辺は他の本で読んだんですが。

夜這いも禁止されまして、表面的には明治以降の日本は「青い山脈」みたいに清らかな世界だということになったようですが、そういう風習は禁止されてすぐ無くなるもんではないよね。
場所によっては昭和30年代まで残ってたらしい。でも「遅れた地域」と見なされるのを嫌って、村人自らその事実を隠蔽したりしたのであまり伝わっていないようです。昔の物書きは基本的に上流階級の人なので、このあたりの記録が少ないのは仕方ない。

が、著者は「柳田國男が悪い」と名指しで批判。「姫路出身の彼は夜這いの風習を見て育ったはずなのに、官僚だったためにそれらを一切無視した」とのこと。日本一有名な民俗学者の思想の影響が今日まで続いてるというのですね。教科書どおりの純潔教育が、一律に根付いていたかのように錯覚させられていると。
 
 
  この記事は 2795 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_84144

 この記事に対する返信とトラックバック
283500 各地に伝わる「もぐらの嫁探し」からわかること 佐保井路子 13/11/18 AM08
234871 「夜這い」は葬られた 向芳孝 10/07/19 AM00
日本婚姻史2〜その7:赤松啓介と言う人 「共同体社会と人類婚姻史」 10/06/07 AM08
232594 赤松啓介 とはどんな人だったのか (1) HAYABUSA 10/06/02 AM11
婚姻史シリーズ(28)〜夜這いって?〜 「感謝の心を育むには」 09/03/28 AM00
江戸性文化の吉原とは、何だったのか 「共同体社会と人類婚姻史」 07/09/06 PM11
154599 赤松啓介〜非常民の民俗学〜 是永恒久 07/06/17 PM00
154489 なぜ柳田國男は「非常民」を対象にしなかったのか? ヨネ 07/06/16 AM10
154485 赤松啓介〜大衆の大らかな「性」を伝えたかった学者〜 是永恒久 07/06/16 AM09
154246 性充足の可能性の行方 疾風怒濤 07/06/13 AM10

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp