私権社会の婚姻制
82987 なぜ武士階級はそれまでと異なる婚姻規範を確立させたのか?
 
根木貴大 ( 30 営業 ) 04/12/22 PM08 【印刷用へ
武力支配時代の最前線に立っていた武士階級は、戦という強烈な同類圧力に晒される中で「“姦通は死罪”という、日本の集団婚の伝統からは非常に違和感さえ感じる規範」を確立させた。彼らが私有婚規範に拘った必然性はどこにあるのだろう?

武士なる身分は平安時代後期に当時の皇族貴族らを護衛する階級として登場するが、時代を経るにつれ、公権力の担い手としてその権力域を拡大していく。
属していた村落共同体から抜け出して貴族に仕え、統合階級へと成り上がっていったその過程の中で、彼らは婚姻関係の基盤とその伝統を失っていったのだろうか。絶えず続く同類圧力の中で、対する内圧の基盤を単一の家族集団に強く求め、絆を強固に保つための手段として私有婚規範が必要とされたのではないかと思う。

信・義・忠を重んじる武士道精神とその根底にあるとされる儒教道徳。現在においてもその気高い振る舞いが美徳として伝えられているが、その奥には、同じように共同体を失い、ゆえに単一の家族集団に収束することでその不全を埋めようとする私達現代人の姿と、そこから生まれるシンパシーがあるのではないかと感じた。
 
 
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