なんで屋劇場で『異性を求める力が弱くなってきたのは、何で?』を聞いた。大きな認識転換となったのは、性に係わる生物の適応システムは、それだけで完結して機能するのではないということ。
つまり、他のさまざまな本能機能を連続的に生起させ、全体システムの効果として、種の存続を実現するということだった。そして、人間の場合は、本能だけではなく共認・観念領域の規範も含まれるということである。
これは、性の活力の再生を考えることは、連動するその他の機能(共同体の再生・縄張り確保・子育て等)を含めた実現見通しが必要ということであり、性だけ取り出して考えても、答えはないと言うことになる。
しかしそう考えると、それまで農村共同体とその中の規範によって、子育てもある程度できていた戦前から戦後50年代くらいまでと、一気に都市人口比率(共同体のない社会)が高くなった60年から70年以降に、子育てがうまくいかなくなったこと。
その様な現実のなかで育った子供達が、ついには異性を求めるエネルギーすら失いつつあること。
また、出生率の推移や未婚・晩婚の上昇も同じ傾向を示すことなど、符合する点が多い。
これらのことから考えると、本能・共認レベルでは、旧規範(共同体の崩壊と一対婚という婚姻制度)のままでは、見通しが立たないため、異性を求めるエネルギーは湧いて来ないということだろう。
種の存続という根源的な課題に対して、潜在意識は実現の見通し=本能・共認機能に整合した新しい規範を求めているのだろう。 |
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