原始共同体社会
7900 共存の困難さ
 
岡本誠 ( 47 経営管理 ) 01/08/11 PM04 【印刷用へ
 複合民族の共存は今後の課題ですが、少なくとも白人が到来するまでのオーストラリアでは、いくつもの民族と、異なった言語やライフスタイルをもった250あまりの独立した人間集団が、はるか昔から共存していました。

 アメリカ大陸においても同様で、共存関係が壊れた原因は明らかなのですが、それを“インディアン部族とは何か”という角度からの、ジェラルド・ウィルキンソン全米インディアン青年評議会議長の発言から紹介したいと思います。(1984年「第1回地球のいのちを守る国際会議」より。)

〜以下、ジェラルド・ウィルキンソンの発言抜粋〜
 部族についての理解を助ける3つの概念に触れます。
 第一に、空間としての『国』という概念です。白人は国というものが空間的な境界をもったものとしては認識されていないようです。もっと抽象的な観念、憲法により定められた政体、あるいは進歩の概念とでもいうべきものです。国土が太平洋地域に存在しているといった場所的な観念がないのです。

 それに対して、我々インディアンは存在と場所とを対比させます。この場所の内側において、インディアンの文化や生活が営まれ、霊的な価値や共同体が組織されるのです。このような生活態度の違いから、我々は合衆国で生きてゆくのに大変苦労するわけです。

 第二に、インディアンは大地とある特別な関係を持っています。大地は単に人間が生活する場所であるというより、人間と大地の間には霊的な関係が存在するのです。大地にあるすべてのものは生命をもち、超自然的意味に満ちています。人間がある場所に長い間住めば、いつかその場所と特別な関係を結ぶことになります。これがまた現代世界と著しい相違になるわけです。

 第三に、インディアンの共同体は、相互に依存関係を持つ人々の集団なのです。共同体内では一人一人がそれぞれの役職、役割を持っています。もし誰かが共同体を離れるときは、その人は別の誰かにそれを引き継がねばなりません。人々のアイデンティティは固定的であり、相互に固定的役割関係を持っています。現代世界では、自ら創り出したアイデンティティを持ち、自己の求むるところに従って己をつくりあげますが、インディアンの世界では人々のアイデンティティは与えられるものなのです。

 インディアンの共同体にその力を与えているのは、人間相互の関係であり、それが共同体を動かしています。そのような共同体の類型こそ、我々インディアンが世界に贈るメッセージなのです。
〜以上、抜粋終わり〜

 白人と先住民族の共存は遠い道に感じられる。共存を阻んでいるのは白人の価値観の方にあるのだから。
 
 
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102988 > 共存の困難さ 寺嶋眞一 05/12/22 AM05
8238 RE:共存の困難さ>岡本さん 小林雅志 01/08/17 PM09

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