人類の起源と人類の拡散
51373 肢の指の退化=適応説への反論
 
北村浩司 ( 壮年 広報 ) 03/03/10 AM03 【印刷用へ
問題の捉え方がおかしいのではないか?と思います。

>全ての生物は、環境(外圧)に対する適応態として存在する。そして環境(外圧)が変化すると新しい環境(外圧)に適応すべく新しい最先端の可能性へと収束し、やがて新しい機能が生み出されると、古い諸機能は新しい環境に適応し得る最先端機能の下に収束することによって、全体が再統合される。 (29834「闘争(能力)適応 と 共生(取引)適応」)

言うまでもなく人類の最先端機能とは、観念機能です。二足歩行の機能でも、ましてや肢の指で木の枝を掴めなくなったことでもありません。

>足の指が偶然、突然変異して先祖返りするということは考えにくいのではないでしょうか? 何らかの外圧に適応するべく古い機能を組み替えたものなのではないでしょうか?(富田さん51086
>尻尾の退化や、現代人の歯や顎の退化と同じように、直立後に使われなくなった肢の機能が退化した、と捉えるのが最も矛盾が少ないのではないでしょうか。(蘆原さん51249

おそらくこのような疑問の背後には現在の人類学者に見られる、地上に降りたこと或いは直立したことが、あたかも素晴らしいことであると言う思い込み(その背後にある人類の種としての優越性という錯覚)があるような気がします。
木の枝を肢の指で掴めなくなった、つまり樹上で暮らせなくなった、ことが如何に決定的に生存にとって不利な状況であったかをリアルに想像してみる必要があるのではないのでしょうか?人類は鋭い爪も牙も力も走力も他の哺乳類に比して圧倒的に劣ります。つまり樹上を追われたサルは到底適応できる存在ではありません。

また地上で暮らすようになったから、その必要性が無くなった、というのも矛盾です。実際ニホンザルなどは地上での生活時間のほうが長いのですが、相変わらず樹上で暮らす機能は退化していません。言うまでもなく、いざと言うときに樹上に逃避できることは大きな武器だからです。
またサルは実際ある程度の時間直立歩行することが可能です。そして直立に必要なのは主に腰骨の機能であって、それさえ変化させれば、肢の指の形状を変えなくても直立歩行は可能です。つまりどこから考えても、肢の指で木を掴める機能を退化させる積極的必要性はどこにもありません。
(因みに直立する必要があったのは、肉体機能ではどうにもならなかったが故に、木の枝などの武器を持つ必要があったからだと思われます)

逆に肉体機能=本能機能の変化と共認機能で、充分適応できる状態だったのであれば、最先端機能である観念機能を生み出す必要性も出てきません。
つまり以上より極めて非適応的な変化=退化がサル=始原人類に起こったと考えるしかないのです。

かつこの肢の指の変化は突然変異と言っても、新しい機能が生まれたわけではありません。肢の指が木の枝を掴めなくなる=指が対角線上に曲がらなくなる、という否定形の変化です。つまりある遺伝情報が発現しなくなる、というだけの変化ですから。ウィルスであれ、ホルモン物質→内分泌の変化であれ、遺伝情報を撹乱・破壊する環境要因の変化があれば、一定の確率で、ある地域の集団内の複数の個体に充分起こり得るものだと思います。

もちろんこの変化は元々非適応的なものですから大多数のケースは絶滅したでしょう。その中で共認機能だけを頼りに奇跡的に生き延びてきたのが始原人類です。加えてあくまでも、本能でも共認でもどうにもならない事態に直面したからこそ、それを突破し得る最先端機能=観念を生み出したことも忘れてはならないと思います。
 
 
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