古代社会
41517 シュメール人の歴史2 私権社会の原型がほとんど揃っていた
 
阪本剛 HP ( 28 SE ) 02/10/05 AM02 【印刷用へ
 シュメール人の社会には、現在の私権社会の原型となる制度、要素がほとんど揃っていた。

 紀元前3500年頃、ウルク期になると、神殿では日乾しレンガの他基礎石列を持ち、高さも周囲の平野から約12メートルに達した。
 神殿の祭司が、その集落の社会に対し、強大な支配力を振るっていた。また、銅が金属器として初めて使われ、進んだ弓術も開発された。

 ウルク期には、重要な発明が行われた。

 第一は、文字の発明である。
 目的はウルクの神殿司祭が、神殿の財物(穀物がメイン)の出納記録をつけるためであった。
 集落の中心をしめる神殿経済が、文字記録を必要とするほど、巨大化、複雑化していたのである。

 第二は、印章類の発達である。
 印章(はんこ)は、ハラフ期にも存在したが、ウルク人は円筒形印章を開発した。
 以前の印章に比べ数がはるかに多く、同一の文様はない。これを半乾きの小型粘土板に押しつけ、回転させることにより、その板の添付された物品の所有権が確保されたと思われる。

  ウルク期の史料からは、シュメールの都市が、
・分業化と私有化が進み、
・金属工芸を中心とする技術が急速に発達し、
・神殿倉庫が経済の中心を占め、
・祭司たちが文字により灌漑農耕を管理するに至っていたことがわかる。
 
 人々は、既に窓やドアのある家に住み、ウールや麻でできた服を着て、ビールを飲んでいた。
 産物は大小の麦、山羊、羊、牛、ナツメヤシの実、野菜などであった。大多数の人は農民であったが、職人として鍛冶、金属細工師、陶工、大工などがいた。

 新石器時代の貝殻や黒曜石中心の貿易に対し、
・建材としての木材、石材、ラピスラズリなどの宝石が輸入され、
・増大した人口を養っても余る穀物が輸出され、オリエントの他地方の局地的農耕社会を圧迫していた。(貿易問題の起源)
 たぶん、商人も出現していたであろう。

 
 
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