企業を共同体化するには?
335725 「星野リゾート」の強さの秘密〜「フラットな組織文化」が、競争力の源になる!
 
宮田一郎 18/05/17 PM03 【印刷用へ
勝ち組「星野リゾート」の強さの秘密。
社員の活力に照準を当て、常に組織改革を行なっている。
勝っていくためには、社員みんなが最大限の力を発揮できる組織環境、体制を作っていく必要があることが分かる。


THE21ONLINE リンク より

生産性が重視される昨今だが、「日本のサービス産業の生産性は低い」という声をよく聞く。しかし、画期的なサービスが話題を呼び、成長を続ける企業もある。国内外約40拠点で旅館やホテルを展開するリゾート運営会社・星野リゾートがその一例だ。同社ではトップの知らないところで社員自らがさまざまな企画を生み出し、ヒットさせ、それが組織の活性化、同社の競争力の高さにつながっている。そんな「社員が勝手に利益を作り出す」組織文化の秘密を、星野佳路代表にうかがった。


◆「上司の指示」ではなく自由な発想で動く組織に

星野リゾートが運営するリゾート施設では、現場発のアイデアから生まれた人気企画がたくさんある。たとえば、奥入瀬渓流ホテルの「苔さんぽ」などは、代表の星野佳路氏は当初「なぜ雄大な渓流を背に、わざわざ苔を見るのか」と疑問に思ったそうだが、苔が大好きなスタッフ主導で実際にやってみると大人気のアクティビティに。「社員が自由にやりたいことに挑戦できるフラットな組織文化が、私たちの競争力の源泉」と語る星野氏に詳しくうかがった。

「私たちが大事にしているのは、言いたいことを、言いたい相手に、自由に言える環境であり、やりたいことに自由に挑戦できる環境です。つまり、それぞれが持てる力を百%発揮できる環境をつくることです。反対に、上司の指示が絶対だったり、自らの自由な発想や発言、行動が人事評価で不利益につながったりする環境では、自分の力を十分に発揮することができません。年齢や勤続年数、ポジションに関係なく、自ら発想して行動できる環境作りが私たちの目指すところ。その一環として、スキルを伸ばしたい人には『麓村塾(ろくそんじゅく)』という社内ビジネススクールで学ぶ機会を与え、マネジメント職に挑戦したい人のために立候補制度を設けています」


◆タテ型組織を象徴する「偉い人信号」とは?

従来のタテ型組織をフラットに変えていくのは並大抵ではないはずだ。フラットな組織文化を目指すうえで重要なことは何だろうか。

「フラットな組織文化とは、組織図が平らであるという意味ではなく、お互いの働き方がフラットだということです。そのためには普段から人間関係がフラットであることが求められます。これは制度を導入すれば達成できるものではなく、文化を変えていく必要があります。したがって、トップの覚悟とコミットメントが欠かせません」

フラットな組織文化を阻害する大きな要因は、「偉い人信号」と「情報量の差」だと星野氏は指摘する。

「上司のデスクだけ他のスタッフより大きかったり、〇〇部長や〇〇課長と役職名で呼んだりするのは、典型的な『偉い人信号』です。星野リゾートではお互いに役職で呼ぶことを禁止し、また役職に関わらず皆が同じデスクで仕事をしています。こうした『偉い人信号』を一つひとつ排除していくことが、フラットな組織文化をつくるための最初のステップです。加えて、マネジメント層も現場のスタッフも与えられる情報量を均一にすること。社内における情報量の差を限りなく少なくすることで、社員が正しく発想したり、説得力のある意見を言えたりします。これもフラットな組織文化を実現するための前提条件です」


◆挑戦する自由もあれば挑戦しない自由もある

フラットな組織文化では、誰もが自ら仕事を創造する働き方が当然なのかと思いがちだが、そういうわけではないという。意欲のある人が挑戦できる環境であると同時に、挑戦しない自由が認められていることも大事だと星野氏は話す。

「スタッフには任された仕事を全うする責任はありますが、それ以上のことを強制されるのはよくないと思っています。人によって持てる力も違えば、やる気も経験も興味の対象も違います。全員が自主的に仕事を創造できるかというと、それが得意ではない人もいます。皆に同じように創造性を発揮するよう求めることは、フラットな組織文化とは相容れません。

もちろん、優秀なスタッフには総支配人を目指して欲しいと思いますし、そのように働きかけたりもしますが、最後は本人の意思次第です。むしろ、会社の期待に応えなかったことが評価に結びつき、本人が『やりたくない』と言えなくなることのほうが問題です。個人の事情を無視して無理強いしても、長続きしません。結果、会社のためにも本人のためにもならないでしょう」
 
 
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