世界各国の状況
329508 北朝鮮の核武装の理論的支柱=主体思想とは?
 
山澤貴志 ( 52 ITコンサル ) 17/09/11 PM01 【印刷用へ
北朝鮮が核武装に走る背景にあるのが、北朝鮮版「民族自決」思想である主体(チュチェ)思想である。この主体思想を軸にみると、金正恩は決して狂人ではなく、建国の父である祖父、金日成が掲げた自主独立を堅持し続けるまさに主体性を持った国家指導者である、ということができる。
 
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北朝鮮の水爆事件成功発表に対して日米韓、中国、北欧、EUなどは厳しく批判を加え、国連安保理での追求、また制裁発動を検討している国もある。だが常に忘れてならないことは北朝鮮が主体(チュチェ)思想の国であることだ。常にアメリカの軍事的圧迫にさらされ続け、中ソ対立の間でなお生存していかなければならなかった、この小国にとってチュチェ思想こそ、いついかなる場合にも依拠し、すがるべき基盤であった。

  朝鮮戦争当時から北朝鮮は独立国として維持、軍事的優勢、国家のアイデンティティー確立のため核兵器の保有を熱心に考えていた。しかし中ソは一貫して北朝鮮が核兵器を持つことに賛同せず、北朝鮮は自主開発の道を行くしかなく、豊富な埋蔵ウラン資源を活かした核兵器の開発のための研究を一貫して続けてきたのは紛れもない事実だ。

  そもそも北朝鮮がなぜここまで非難され、制裁されても核兵器を持とうとするのか、それは北朝鮮の立場にたてば氷解することである。韓国は緊密なアメリカとの軍事同盟がある。北朝鮮は現在のそのような協力な軍事同盟を大国と結んでいない。アメリカは何度も北朝鮮に侵攻し、一気に体制を崩壊させようという計画が立てられたのは周知の事実だ。現在も侵攻する、とまでは言わないにせよ、朝鮮戦争での惨憺たる米軍の軍事攻撃による被害の記憶の生々しい北朝鮮が、なんとしても国家の存立、継続の手段として核を持つしかない、と考えたのはある意味、当然である。
それほど北朝鮮は国家の存続が危ういのである。北朝鮮の持っている国家存続の危機感は他国では容易に想像できるものではない。すべての根源が国家の存続への不安なら、唯一の解決策とはアメリカが北朝鮮の存続の保証を与える朝鮮戦争最終終結の平和条約を結ぶ以外にないことは明白だが、・・・堂々巡りで決直不能な面がある。北朝鮮の行った、ちょっと常識では考えにくい非道も、国家存続の危機感の裏返しと理解するべきであろう。

  さて日本では北朝鮮という国は論外で箸にも棒にもかからない劣等悪質な国という文脈でしか論じられないが、一度、チュチェ思想がどのように国家の政策に反映しているか、まじめに考えてみることも必要ではないか。

  北朝鮮に言わせれば『わが国は超貧乏国でも核兵器を自主開発で保有している。日本のようにアメリカの属国になって政治家たちは親米従属しか能がない独立を達成できていない国よりはマシだ』とでも言うだろう。『核の傘』という分かりきったウソを押し付けられて、自主的な核兵器開発が出来ない日本、韓国、そして台湾である。『日本が核攻撃されたらアメリカがその攻撃国に核攻撃する』こんなバカなことがあるはずはない。いかんせん、そのような状況がまだ発生していない以上、ウソと明らかでもウソと断定しにくい事情はあるだろうが、有色人種の遠方の国のために自国の白人が犠牲になる、ことは100%あり得ない。

  いたって単純な話で、俺たちは持ってもいいがお前は持ってはいけない、という核拡散防止条約のもつ根本的な理不尽さである。端的に言って、どんな国でも核兵器は持つ権利自体はある、と見なすべきである。その上での論議なら、分かるが、核保有国のエゴが正義でも何でもない以上、核兵器を小国が保有したとて非難すべきだろうか。あくまで戦略上、また政治的駆け引きのための兵器である。

もはや核兵器を持った北朝鮮という現実は、ほぼ永久に否定、消し去ることは出来ないのだからその思想面を改めて十分、調べ直すことの意味はあると考える。

*********引用終わり***************

さて、この主体思想、朝鮮半島に根深く定着した「事大主義」という思想風土を思うならば、明らかに歴史総括・自己批判の上に成り立った思想であり、真摯な思想であるということができよう。さらに「兩班(リャンバン)」と呼ばれる文官の暴走を繰り返してきた半島の歴史を思うならば、文官支配よりも軍部支配の方が比較的ましであるということもいえるだろう。

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事大主義というのは、そのときどきの力関係で付き従う相手を変える朝鮮独特の外交哲学である。中国と日本という大国のはざまにあった朝鮮は、その長い歴史においてこの日和見主義的な事大主義を外交政策の基本としてきた。この事大主義が象徴するように朝鮮人は自らの運命を自主的に切り開くよりも、他人におもねることによって自らの生き残りをはかってきたのだ。
 こうした主体性のない民族的性向への反省とその否定から生まれてきたのが、主体(チュチェ)思想である。だからこそ、自主性というものがそれほど重要視されているのだ。その意味で主体思想は、かつての事大主義への決別宣言であるといえるだろう。
 
 
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