恋愛って、何?結婚って、何?
317613 残業が減らないのは家に帰りたくないから〜昭和から続く「悪しき伝統」の真実〜
 
中 竜馬 ( 24 会社員 ) 16/07/23 PM03 【印刷用へ
残業削減のため様々な知恵を絞る日本企業だが、成果を上げているのは一部にとどまる。残業が減らない背景には、経営層の1つの誤解と、諸外国にはない2つの事情がある。日本人は皆、家に帰りたくない──。そのぐらいの前提に立って対策を練らないと残業は減らない。

■残業削減のメカニズム
多くの経営者は、残業削減のメカニズムを次のような公式で捉えている。

△残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上

だがこれは不完全で、正しい公式はこうなる。

◎残業削減=仕事の絶対量の減少×効率向上×社員の家に帰りたい気持ち

新たに加わった3つ目の要素は強力で、これこそが日本の残業が減らない根本的な原因だ。千葉商科大学国際教養学部の常見陽平・専任講師がずばり言う。「日本人は総じて『家に帰りたい気持ち』が低いように思える。だから、会社が仕事量を減らしたり、業務効率化を進めたりしても、それだけでは残業の削減が進まない」。

では、なぜ平均的日本人は家に帰りたくないのか。その原因は2つある(帰りたくても組織的圧力で帰ることができなかったり、会社の人員構成上の問題などで各人の仕事量が常軌を逸したりする、いわゆる「ブラック企業」の残業についてはここでは触れない)。

■理由@残業すれば出世する確率も高くなるから

誰もが薄々感じていながら実証できなかった、この身も蓋もない事実をデータで証明したのが独立行政法人の経済産業研究所だ。

同研究所は、ある大手メーカーの人事データを用いて、労働時間の長さと、昇進確率の関係を分析した。男女とも労働時間が長いほど昇進確率が高まる傾向にある。

とりわけ女性における相関関係は鮮明で、年間総労働時間1800時間未満の人の昇進確率に対し2300時間以上の人は5倍を超える。「長時間労働が難しい女性は昇進機会の少ない働き方に振り分けられるのがその理由だろう」。同研究所の客員研究員、米シカゴ大学の山口一男教授はこうコメントする。

長く働くから出世するのか、出世するから労働時間が延びるのか。ここでその因果関係を解明することに意味はない。社員にとって大事なのは、「日本企業では総じて、残業しないと、会社の中枢にいられる確率が下がる」という事実だけだ。

「50〜60代が中核をなす、現在の経営トップはバブルを知る世代。時間をかければ成果が上がった自らの成功体験もあって、遅くまで働いている社員を評価する傾向がいまだにある」。約250社で残業削減の支援を手掛けた経験を持つ、社会保険労務士の望月建吾氏はこう分析する。


■理由A会社以外に居場所がないから

ブラック企業のように組織的圧力があるわけでもなく、今日やらねばならぬ仕事があるわけでもないのに今日も無駄な残業に精を出す。そんな社員の中には、出世や収入増にさほど関心がない人もいる。彼らが帰らない理由もまた、身も蓋もない。「帰ってもろくなことがない」だ。

「自分だけでもいいので、ノー残業デーを水曜以外にしてもらえないか」

あるメーカーの工場で最近、50代の社員、A氏から人事部にこんな奇妙な相談が舞い込んだ。なぜ水曜だと駄目なのか。聞くと、別の会社に勤める妻がやはり水曜がノー残業デーで、お互い早めに帰宅すると、家で気まずいのだという。

男性の中には、家事をやりたくないから家に帰りたくない、という人もいまだ多い。「多くの日本人男性は残業のおかげで家事を放棄できていた。残業がなくなるとこの“特権”がなくなる」。千葉商科大の常見専任講師はこう解説する。

女性にも、家事や晩ご飯を用意するのが嫌で帰るのがおっくうな人はいる。「夫婦仲が悪いわけではないけど、何かと面倒なので、ノー残業デーでも食事会があるなど適当な理由をつけて、いつも通りの時間に帰るようにしている」(サービス業、30代)。

本誌も神奈川県某駅周辺に行き、そうした事実を確認するとともに、ファミレスで飲酒しながら明らかに時間を潰していた52歳のC氏に話を聞いた。

「水曜は午後3時頃から憂鬱になる」。中堅商社で働くというC氏はこうため息をつく。ノー残業デーが試験的に始まった今も水曜日以外は午後9時に退社している。業務が忙しいわけではないが、残業で退社時間を遅らせている。それが水曜日に限ってはできない。

同僚と飲みに行くこともめっきり減った。C氏の役職は係長だが、課長は年下。敬遠されている雰囲気をこちらも察し、一緒に飲みに行くことはほとんどない。

そして家にも居場所はなし。中学生と高校生の子供がいるが、育児を手伝うこともなく、毎晩遅く飲み歩いたことが響いてか、あまり懐かれていない。とはいえ、教育費は増え小遣いは減る一方。会社を早く出ても遊ぶことはできず、ファミレスで数時間過ごし、30分ほど歩いて時間を稼ぎながら帰るのだという。

「ノー残業デーだけはやめてほしい」。酔いも手伝ってか、C氏は取材中、何度もつらそうにつぶやいた。

引用:リンク
 
 
 
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_317613

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp