本能⇒共認機能⇒観念機能
314916 【言語の進化】11.同類闘争以降、人称代名詞が分化した。
 
縄文男児 ( 70代 経営 ) 16/05/07 AM00 【印刷用へ
「みんな」という人称代名詞は、洞窟時代からあったが、そこでは相手も自分も区別なく全て「みんな」という言葉が使われていた。(関西では、今でも相手のことを「我(われ)」とか「自分」と云う。)
その後、自分たち以外の他者が現れ、同類闘争の緊張圧力が高まると、自他を区別する必要が高まる。その結果、それまではあまり使われず、使われても相手(「皆」「お前」)>第三者(「彼」)>自分という使用頻度であった人称代名詞が明確に分化されてゆく。
中でも、守護神信仰等に見られる自己正当化(自部族の正当化)の必要が強かったセム族や印欧語族では、自分を指す一人称が発音し易い言葉に作り変えられて第一義的な重要性を与えられることになった。
また、侵略戦争以降はとりわけ外交(友好)が重要になり、相手に対する配慮が大切になる。そこで、名前の前に冠関詞が付け加えられると共に、相手(二人称)に対する動詞も語尾変化させ、それに伴って第三者の動詞も語尾変化させた。そして、いったん冠関詞ができると、男女や身分に応じて冠関詞が多用されるようになっていく。(侵略語において冠関詞が多用されるようになったのは、殺伐とした侵略語に、ある種の潤いを与えるためだったのかも知れない。)

他方、侵略を知らない日本では、中国由来の「御前」「貴方」「君」等の尊称が使われたが、庶民間では尊意よりも親和の意の方が強く、「おまえ」「あんた」「くん」等、およそ尊称とは感じられないような親和語に変化していった。また「我々」や「私」という1人称は省略され、使われないことが多い。

現代の言語学は、侵略戦争たけなわの4000年前〜3000年前に出来たセム語やハム語や印欧語を中心にしてそれらを構造化したものであるが、それ以降、それらの言語の構造は変化していないので、現代の言語学には歴史=進化史が欠如している。従って、言語を分類し構造化するその基準は、進化史的な根拠を持たない恣意的な基準でしかない。
例えば、本来の人称代名詞の必要度は、みんな・彼ら・我々であるが、侵略以降の言語のみを分析して、順位をI・you・heに入れ替え、1人称・2人称・3人称と名付けたのは、言語学者の犯した大きな誤りであろう。とりわけ、日本の言語学者がそれをそのまま鵜呑みにして使ってきたことが、日本の言語教育に大きな混乱を生み出すことになった。「1人称」と呼ぶと、あたかも1人称の文型こそが始原であり基本であるかのような錯覚を生む。現に教科書は「I am a boy」から始まっており、それが英語を訳の分からない物にしている元凶だと言っても過言ではない。
 
 
  この記事は 314869 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_314916

 この記事に対する返信とトラックバック
314917 【言語の進化】12.侵略戦争による優先動詞の多用と語順の大変化 縄文男児 16/05/07 AM00

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
ゴリラ、テナガザル、オランウータンと人類
サルからヒトへの足の指の変異:『地上生活順応説』には物証もなければ論理的反証が多すぎる
ヒトはいつから言葉を話し始めたのか(2)
人類史を追求する意義と視点
原基構造の不変部分と可変部分
地球の気候変動と人種移動
モンゴロイドの歴史@ 20万〜4万年前 スンダ・モンゴロイド、北方モンゴロイドの誕生
モンゴロイドの歴史A 4万〜1.3万年前 中央アジア・モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史B 1.4万〜1万年前 スンダ・モンゴロイドの拡散
モンゴロイドの歴史C 1万年前〜6000年前 新モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史D 5500〜3000年前 寒冷化→新モンゴロイドの本格的な南下→中国へ
モンゴロイドの誕生と北方への進出
南方モンゴロイドの拡散と新モンゴロイドの誕生
北方モンゴロイドの拡散(ツングース族、モンゴル族、テュルク族の起源)
家畜化と農耕と遊牧、都市国家1〜家畜化と社会余剰〜
家畜化と農耕と遊牧、都市国家2〜家畜化と社会余剰〜
牧畜によって何が変わったのか?
遊牧によって何が変わったのか?
交易によって何が変わったのか?
遊牧部族の父系制転換
中国文明の起源
遊牧民の中国支配史2: 〜夏・殷・周の成立〜
遊牧民の中国支配史3: 〜春秋戦国時代・秦〜 550年間にわたる遊牧部族同士の同類闘争が、心を歪ませ、思想を発達させた
遊牧民の中国支配史4:漢の時代〜冊封体制と朝貢制によって中国史上初の私権統合体制を実現した漢帝国〜
遊牧民の中国支配史5: 〜五胡十六国・南北朝の時代〜 400年に渡る戦乱により、血縁を紐帯とした部族集団が悉く解体され、現代中国の原型=3層の人民構成が形成された
中国とは何者か?−ヨーロッパとイスラムと中国−
潮流1:共認原理と私権原理
2600年前頃、古代宗教・思想の世界同時成立期・・・・そして大転換期の現代
1万年前以前の極寒期には南欧以北の欧州は無人だった
原欧州人とシュメール人の出自
5500年前、イラン高原で最初の略奪闘争(戦争)が勃発
3500年前、コーカサスと地中海は略奪部族の支配国家と山賊・海賊だらけになった
2900年前、海の民の侵略で地中海沿岸の部族共同体は崩壊
略奪集団であるが故に自我の塊になった西洋人
西洋人の精神構造と異常な性意識

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp