試験・身分制度の根深い害
312756 現代文入試問題作成の裏側〜よく読まないと分からない悪文・駄文こそ出題に向いている〜
 
匿名希望 ( 30代 ) 16/02/29 PM07 【印刷用へ
気になる内容の書籍を見つけたので、引用します。
野矢茂樹「哲学な日々」(講談社)より

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37入試問題

現代文の入試問題を作ったことがある人に、こんな話を聞いたことがある。会議に持ち寄られた文章の一つを、みんな感動しながら読んだ。いい文章だねえ。で、ボツになった。文章がよすぎて問題が作れなかったのである。読めば分かる、そんな文章では問題は作れない。よく読まねば分からぬ、そういう文章が出題される。

だから、入試問題に使われることは、文章を書く人間として恥なのである。実のところ、私の書いたものはけっこうあちこちで入試問題になる。恥である。おかしいなあ。一読してすっと頭に入ってくる文章を書いているつもりなのだが。漢字も少ないし。

かつて、自分でも解答してみたことがある。よく聞く話だが、著者は案外正解できないものであるらしい。だが、現代文は得意であったわたくしである。なめてもらっちゃ困る。なんたって書いた本人だ。と、鼻歌まじりで解いてみたら、なんと、ポコポコまちがえてしまった。なぜだ。

すべて五択問題なのだが、選択肢が実に紛らわしくできている。正解であっても本文からずらした書き方をしているために、著者としては「ちょっと違うんじゃないの?」と違和感の方が強くなる。で、まちがえる。

本文の趣旨に合致するものを選べ、なんていう問題では、「そうだね、これがほくの言いたいことさ」なんて思ってそれを選ぶと、「著者の言いそうなことではあるが、本文には書かれていない」とか解説がある。不正解。「こんなこと別に言いたかないよ」と思ってはじくと、本文には書かれてあることだったりする。不正解。

思い出した。入試問題というのは、著者の声を聞きとる以上に、この問題は何を狙っているのかという出題者の声を聞きとらなければいけなかったのだ。

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「入試問題に名文はほとんど存在しない」とよく聞きますが、実際の作成の裏側を知ると、「なるほど!」と思えます。

入試が点差をつけて、合格不合格を決める制度である限り、そこで出題される文章もよく分からないものが使われ続けるのでしょう。 
 
 
 
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