西欧科学は狂っている
307091 分子時計による分岐年代決定法の矛盾点
 
冨田彰男 ( 51 経営管理 ) 15/08/22 PM11 【印刷用へ
分子時計法とは、異種間のDNA塩基やタンパク質、アミノ酸の分子の違いに着目し、その分子変異を時計と見なして進化系統上の分岐年代を決める手法である。ミトコンドリアDNA解析やY染色体亜型分析など様々な手法があるが、共通するのは、分子の変異速度が一定であるという仮定が措かれていることである。例えば、化石記録から10万年前に分岐したと確定しているAとBという種のDNA塩基配列が10個違っていたとすると(分子変異速度が同じであるとして)Aと5個しか違わない種は5万年前にAから分岐したと推定される。

ところが、分子時計法は様々な矛盾を露呈している。
ヒトとチンパンジーの分岐年代が400〜600万年前という定説も、分子時計法によるものだが、2001年にアフリカのチャドで発掘された猿人の化石は700万年前のものとされている。
また、種によって分子変異速度は異なることがいくつも報告されるようになった。
例えば、一般哺乳類よりもげっ歯類は速く、サルは遅い。とりわけ、真猿は進化するほど分子変異速度が低下することがわかっている。
その結果、分子時計による分岐年代と古生物学的な推定年代とが大幅に食い違っている。
例えば、分子時計では1500万年前以前に分岐したとされるサルについては、化石年代はその1.5倍以上古い。分子時計で1000万年前以降の分岐と推定されるサルについては、化石年代はその2倍以上古い。このように分岐時期が新しいものほどズレが大きくなっており、人類の分岐年代も500万年前より古い可能性がある。(1960年代に分子時計法が登場する以前の人類学者は、人類の分岐を1000万年前以前と主張していた。)
「分子変化率は一定か〜古生物学からの分子時計への疑問〜」
リンク

こんなことになるのは、分子時計法が前提とする「分子の変異速度が一定」という仮定が、現実には有り得ないことだからである。
∵生物は外圧適応態であり、急激に外圧が変化すれば変異スピードは著しく早くなる。実際、カンブリア大爆発や哺乳類の適応放散をはじめとして、急速に進化する事例は生物史には無数にある。また、紫外線による破損やコピーミスをはじめとしてDNAの突然変異は日常的に起こっているが、それは修復酵素によって修復されている。その修復度合いも種によって異なっており、分子の変異速度が一定になるはずがないのである。

分子の変異速度一定という仮定は、現象事実と照らしても、また論理的にも破綻している。にもかかわらず、分子時計年代がまかり通っているのが、生物学界の現状である。

さすがに、あまりにも矛盾が大きいので、分子生物学者の一部は、分子変異速度は一定ではないと認めつつあるが、彼らは分子変異速度という概念を温存したまま、種別の変異率を変えたり、統計的手法を用いるなどして、化石年代との辻褄合わせを図っている。しかし、ヒトとチンパンジーの分岐年代の辻褄を合わそうとすれば、オランウータンの分岐年代が古くなりすぎるなど、混迷を続けている。
『自然史ニュース』「ヒト進化で分子時計は正確?」
リンク
 
 
  この記事は 12307 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_307091

 この記事に対する返信とトラックバック
310491 人類とチンパンジーのDNAが99%一致しているという定説の嘘 冨田彰男 15/12/24 PM03

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
素人の社会活動19 素人と創造
素人の社会活動26 創造の資質
素人の社会活動28 現実を対象化する=思考する
素人の社会活動29 私権時代の歪んだ思考(主張・説得・議論)
素人の社会活動30 現実を対象化する思考=事実認識
素人の社会活動34 創造(=探求)のパラダイム転換
潜在思念発の大きな方向と大きな構成
因果関係と収束関係(実現関係)の矢印
原因→逆境(不全)⇒どうする?⇒可能性収束  
原基構造の不変部分と可変部分
「観念力を鍛えるには?」(1) 話し言葉と書き言葉の断層はどこから登場したのか?
「観念力を鍛えるには?」(2) 5000年前の文字登場以降、共認機能は衰弱している?
「観念力を鍛えるには?」(3) 「理解する」とはどういうことか?
「観念力を鍛えるには?」(4) 求道者と解釈者では思考の自在さが全く違う
詭弁を説明しようとするから難解になってゆく
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(1) 共認充足が最大の活力源。'10年代はそれだけで勝てる
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(2) 学習観念が役に立たないのはなぜか?
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
旧観念と新しい概念装置の決定的違い
「旧観念無用」という認識が生み出す気付きの深さ
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
『生命と場所』より…生命観
共生思想ということ
精霊の措定は手順律の逆転か?
「生物的な知」と「機械的な知」
「変性願望」批判
認識の創発性
認知と探索と統合
マイナス原因構造とプラス実現構造という両輪
未知の世界の知性?
シャーマニズムと幻覚回路
楢崎皐月氏のカタカムナ説(1) 宇宙から素粒子に至るまで、万象は共通構造(相似象)を示す

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp