西洋医療と東洋医療
304057 生殖における減塩の影響
 
青島航 ( 44 会社員 ) 15/05/17 AM00 【印刷用へ
以下、リンク より転載します。

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■証拠のない減塩のメリット

血液中のナトリウム濃度は腎臓によって何時も一定に維持されている。これをナトリウム・ホメオスタシス(恒常性)と称する。この働きによりナトリウム(塩)摂取量が変化しても血液中のナトリウム濃度は変わらず、塩欲求を起すことはない。

しかしラットでは、妊娠すると塩欲求が起こり、塩を探すようになる。授乳中のラットには4日間塩を与えないと、著しく塩摂取量を増加させた。妊娠中の胎児の成長や授乳中の新生児の代謝で要求される増加に対応した現象である。

約50年前に妊娠初期の婦人に及ぼす高塩食と低塩食の影響を調べた。高塩食では妊娠中の浮腫、妊娠中毒症、出血事故、周産期死亡(妊娠22週以後の死産から出生後満7日未満までの死亡)などの低下を示した。低塩食では妊婦の血圧を増加させることも観察された。

したがって、妊娠中の塩摂取量低下には注意すべきで、特に妊娠に伴って悪化する高血圧の危険性には気を付ける。妊婦では減塩がメリットになる証拠はない。

■生殖における減塩の影響

交尾行動やほ乳動物の生理状態に電解質バランスは影響を及ぼす。牛の受精率変動の50%以上は塩摂取量を含めた栄養因子で説明される。

ナトリウム欠乏に付随した過剰のカリウム摂取量は異常な発情周期、子宮内膜炎、小胞状嚢腫などによって受精率を低下させる。

豚ではナトリウム摂取量の低下は胎児の体重を低下させ、1生殖周期以上も続くと出産数が減る。離乳から発情までの平均的な期間が2倍になり、多くの豚が上手く交尾できない。

動物では自然な塩摂取量と必要に応じた塩摂取量の両方が生理的、遺伝的因子によって決められる。それらの因子は特別な塩嗜好を生じさせる。

多くの種で低塩食と体内ナトリウム蓄積の欠乏は塩嗜好を刺激する。塩摂取量が少ないとナトリウムを要求する風味に対する抹消と中枢味覚神経の応答が鈍くなる。その結果、ラットは通常避けるような塩辛い餌を大量に食べる。

また発育初期のナトリウム欠乏は成長してからの塩欲求を引き起こす。低塩摂取量は性交不能を含めて無気力や疲労によって特徴付けられる慢性疲労症候群の原因とみなされている。具体的には集中力、注意力、記憶力などの障害や性欲減退、起立性低血圧が生じる。

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結論として、減塩は出産、妊娠、授乳に大きな影響を及ぼす。食事による神経生理学的機構の変化は古代ギリシャ人によって既に推定されていた。生殖に関与しているいくつかのホルモンは塩欲求を引き起こすらしい。

性的機能の変化は高血圧管理の厳しい減塩と関係した潜在的な問題として知られている。塩摂取量が極端に少ない狩猟採取生活者の出生率は低く、寿命は短い。

最適塩摂取量を考えるとき、古代ギリシャ神話の塩に起因する出産や性欲の喚起力に及ぼす塩辛い海の泡の強力な影響について忘れてはならないし、生殖能力や性交に対してはナトリウムが十分にある状態が大きく寄与していることを忘れないように、と結んでいる。
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