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301803 遺伝子組み換え食品の問題点とは何か?基礎知識まとめ@
 
加賀見香苗 ( 29 会社員 ) 15/03/06 PM00 【印刷用へ
遺伝子組み換え食品について、Q&A形式でその問題点を端的にまとめた内容を紹介します。
子どもさんや初心者にもわかりやすく、入りやすい内容となっています。
以下、安田節子氏の遺伝子組み換え食品FAQ(リンク)より

* * *
●遺伝子組み換えってなに?
−まず遺伝子暗号を解析して、どんな働きをしているかを調べます。そうすると特定の遺伝子の働きを押さえたり、またはこれを切り取って、別の生物の遺伝子配列の中にいれこみ、新しい性質をもった生物を作り出す事ができます。このような技術の事を、遺伝子組み換えといいます。

●遺伝子組み換え食品ってなに?
−遺伝子組み換え技術によって作られた、まったく新しい食品の事です。
●遺伝子組み換え食品には、どんなものがあるの?
−大豆やとうもろこしやナタネ、ジャガイモやワタ(綿)が代表的です。日本で流通しているのは、基本的に海外から輸入されたものです。

●遺伝子組み換え食品と普通の食品との違いは?
−いろいろな性質の違いがありますが、一番多いのが、除草剤耐性です(全体の71%)。次が殺虫性です(28%)

●農家にとって、除草剤耐性作物のメリットってなに?
−農家にとっては、使用する農薬(除草剤)の種類と回数を減らせるといわれます。その結果、人件費を減らせ、コストダウンが可能になるというわけです。

●農家にとって、殺虫性作物のメリットってなに?
−メーカーによれば、作物自体が虫を殺すので、殺虫剤等の使用を減らす事が出来るという触れこみです。その結果、人件費を減らせ、コストダウンが可能になるといわれています。
ただし、除草剤耐性にしろ、殺虫性にしろ、アメリカなどの広大な土地での農業でないと、農家にとってのメリットは出てきません。

●「L-トリプトファン」事件ってなに?
−1988年から89年にかけておこった食品公害事件です。必須アミノ酸である「L-トリプトファン」を、サプリメントとして昭和電工が組み換え体利用で製造しました。
ところが、これを食べた人で、米国を中心に1543名もの健康被害者を出し、死者は38人にものぼりました。
これは白血球の一種の好酸球が異常に増加し、全身の筋肉痛に襲われるという、EMS(好酸球増加筋肉痛症候群)と呼ばれるものです。

●「L-トリプトファン」事件の原因は?
−昭和電工のトリプトファン製造過程において用いられた組み換え微生物が、予期せぬ2種類のたんぱく質を作り、それが不純物として製品に混入した事が原因と見られています。
このように、微生物が遺伝子組み換えによってどのような挙動を示すのか、100%わかっているわけではなく、思いがけない物質が出来てしまう可能性は、常にあるといっていいでしょう。

●「実質的同等性」って誰が考えたの?
−90年代に入ると、米国のバイオ企業からの圧力が強まり、さらに米国経済の向上を狙う米国の政策面によって、次々にゆるい規制が発表されました。
その中で、FDA(米国食品医薬品局)が打ち出したのが、「実質的同等性」の確認という、新しい安全性評価の考え方です。

●具体的に「実質的同等性」とは?
−遺伝子組み換えの作物と普通の作物を、見た目、主要成分、性質などで比較し、ほぼ同等とみなせれば、あとは遺伝子操作によって新しく作られる物質の安全性が確認されることにより、安全性がもとの作物と同等とする考え方です。
ちなみに日本の厚生省の安全性評価指針も、同じ内容です。

●「実質的同等性」の問題点とは?
−この考え方の問題点は、作物全体としての安全性が調べられていないという点です。
長期間食べつづけて大丈夫なのかどうかという動物実験、アレルギーの臨床テストなどは、まったく行なわれていないのです。

●なぜ安全性を調べないのか?
−企業にとって、まともに安全性を調査すれば、コストがかかるからです。それに比べ「実質的同等性」の論理であれば、開発企業のコスト負担は大幅に減らせます。
遺伝子組み換え食品というのは、もとより、組み換え作物開発企業の利益重視という、政治的な思惑により、普及してきたものなのです。

●「ラウンドアップ」ってなに?
−多国籍バイテク企業、モンサント社が生産する、世界で一番の売上を誇る除草剤です。
これは、植物のアミノ酸生成を阻害し、植物ならみな枯らしてしまう非選択性の除草剤といわれる、とても強力なものです。

●モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発する理由は?
−強力な除草剤「ラウンドアップ」耐性の作物を開発する事により、今まで「ラウンドアップ」が使えなかった大豆やナタネに使用出来るようになるからです。
おかげで、空中散布しても作物は枯れず、大幅な省力化が出来るようになりました。
この結果、除草剤の売り上げが大幅にアップし、大きな利益を得るようになりました。

●代表的な開発企業は?
−モンサント社(米国)、ヘキスト・シェーリング・アグレボ社(ドイツ)、ローヌ・ブーラン社(フランス)、ノバルティス(旧チバガイギー)社(スイス)といった企業です。
みな、国際的な農薬メーカーで、自社の除草剤と、その耐性作物の種子をセット販売しています。

●農家は特許料を支払うって?
−98年7月に聞いたアイオワ州の組み換え展示ほ場の農場主の話によると、普通の大豆が17,95ドル。
ラウンドアップ耐性の組み換え大豆は24.45ドル。
このうち種代は19.45ドルで、ライセンス料が5ドルということです。
このように、開発企業は組み換え作物において、種苗・農薬・使用権料・特許料で利益をあげる事ができるのです。

●遺伝子組み換え食品の最大の輸入消費国は?
−日本です。豆腐、しょうゆ、油、スナック菓子、大豆タンパク、コーンスターチなど、数多くの食品となっています。また、家畜の餌として、大量に使われています。安全性は調べられていません。
 
Aにつづく
 
 
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