社員の活力を引き上げるには?
298788 自ら考え 共に学び 共に栄える
 
後藤栄太 ( 52 建設 ) 14/12/04 PM05 【印刷用へ
1.歴史が見たことのない未来へ向けて 〜可能性の追求〜
今年は東京オリンピックが開催されてからちょうど50年であるが、この間を振り返ってみる。
一つの時代の大きな分岐点となった‘70年頃までが高度成長時代。その後は鈍化して成長曲線が緩やかになり、バブル狂乱時代の数年を経て、その後はほぼ実質ゼロ成長に近く、この長期低迷は四半世紀近くに及んで現在に至っている。このバブル崩壊以降、戦後においては考えられなかった大型倒産の連鎖や、一時期を除いてはほぼ毎年のように政権交代が行われるなど、特に政治の混迷が続いてきたにもかかわらず今日を迎えていることは、ある意味奇跡であるのかもしれないが、この奇跡は短い期間に積みあがった国の借金1000兆円があったからに他ならない。問題は山積しているが、このことを全面的に批判することはできない。
なぜなら私自身、国民の一人として、また、公共事業と関わりの深い建設業界はこの国の借金によって維持・成長してきたことは紛れもなく、その恩恵を被ってきたことは事実だからである。
今、時代は大きな転換期を迎えている。社会・経済の問題だけでなく、観測史上初などと言われる自然災害や異常気象などが、全地球的に頻繁に起きている。
では、これらは想定外なのだろうか?そうではないように思う。
戦後や近代、特に産業革命以降という100年、200年の短い歴史から見たものに過ぎない。
例えば、わが国においてのもっとも大きな問題の一つに人口減少と急激な高齢化があり、全く初めての現象であるように思える。だが、過去をずっと遡れば、世界においても日本においても人口減少の時期はあったようである。
私が、新概念勉強会Aコースに興味を持ったのも、現実だけに惑わされることなく、もっと長いスパンでみた歴史を遡ることにより新たな時代を模索し、小さいながらもいかなる環境変化でも生き続ける会社(永続企業)への可能性の追及に他ならない。
“生きとし生けるものは、全て、外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。”
この言葉は、『追及のススメ』の始めに出てくるが、大きな転換期を迎えている今、誰にとってもとてつもなく大きな可能性を秘めている。なぜなら、未知なる外圧が大きくなればなるほど人間の観念(≒言語)は発達し、更に対象となる空間が広がり、また外圧が大きくなり、更に観念が発達するという循環により、可能性が広がっていくからである。
人類にとって、世界は根本的に不整合であり、部分的に整合させて生きているので、絶えず問題が発生し、その都度、未知収束⇒可能性探索の回路を作動させている。この未知なる外圧への収束と追及が第一義的な課題となっている。

2.建設業界、そして自社を取り巻く外圧とその可能性
大きな時代転換の中、多くの未来予測の中で間違いなく起こることが人口減少である。これは全ての産業・社会において共通ではあるが、私達が所属する建設業界では他産業と比べてより深刻であり、現状の延長線上では生き残れない。
建設市場は、先にも述べたように、バブル期以降、日本の経済はほぼゼロ成長で推移してきたが、建設市場においてはバブル直後の平成4年度の84兆円をピークに、平成23年度には半分の42兆円を下回っている(その後平成25年はほぼ50兆円弱)。東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、2020年前まではバブル化の様相も呈しているが、問題は山積している。その後の市場も大きく変化するであろう。
なかでも最大の問題は二つ存在する。
はじめに、建設市場における若年層の技能工が圧倒的に不足すると同時に、圧倒的多数を占める高齢者の熟練技能工が市場から退出することである。次に、いつどこで起きてもおかしくない、大地震をはじめとする大災害の危機。これらの外圧に対して可能性を追求し、これからの時代を勝ち抜いていく所存である。
人類の意識は、原モグラ時代に形成された本能の上に、サル時代に形成された共認回路が塗り重ねられ、人類固有の観念機能が塗り重ねられて成り立っている(意識の三層構造)が、圧倒的に実体のない金融社会が先行した世界の中で、私達は観念が先行しがち(頭でっかち)になり、本来備わっている本能と共認機能を身体の奥に置き忘れてきたようである。それを呼び起こすきっかけの一つが阪神・淡路大震災や東日本大震災など、多くの自然災害である。
東日本大震災を例にとっても、道路が寸断される中、真っ先に行動したのが地元の(土木を主体とする)建設会社であった。このことは、メディアではほとんど伝えられていない。
とても残念なことである。
我々は、『既存建設構造物の維持保全及び改修工事業』を生業としているが、今後急増するストック建設物の老朽化及び震災対策を追求し守っていくことが使命である。まずは自国日本の若者にその使命と魅力を伝え、次世代を担う若人たち、そしてまたその次の時代へと引き継いでいかなければならない。今後、建設業界にもIT化・ロボット化が押し寄せるであろうが、いずれにせよ、今後若手リーダー、若手技術者・技能者の活躍が欠かせない。
自分たちの地域は自分たちで守っていく。一人一人の力、そして一つ一つの仕事は小さいかもしれないが、ひいては日本の国土を守る。そんな大きな志を持とう。

3.可能性の追求は始まったばかりである
企業活動の目的は、世の中の困っていることを解決し、人を幸せにすることである。追求の旅に終わりはない。
これからの時代を切り開いて行くために必要な能力とは、近視眼的に物事を捉えるのではなく、人類の歴史段階的な進化の構造(=実現構造)を解明することであり、それには専門能力のみならず、感性と観念能力(≒言語能力)を高め、人間力に磨きをかけることである。答えは常に歴史の中に存在する。

終わりに、無知は人生に壁をつくる。だから追求する。しかし、自分が無知であることを自覚しないことは最も愚かなことである。自分の無知を知らずして追及力は生まれない。同志の皆さん、共に学び共に栄え、明るい未来を自分たちの手で切り開いて行こう。
 
 
 
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自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
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8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
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