生命原理・自然の摂理
297132 何も食べず、何も飲まない人々 - 人は不食で生きられるか
 
柴田英明 ( 24 会社員 ) 14/10/28 AM03 【印刷用へ
食 - それは睡眠と共に、人間を含む多くの動物にとって生命活動の根幹を成す活動のひとつである。それは言わば人類不変の営みであり、それなくして生命活動を行うことは不可能だとさえ言えるだろう。しかし近年、世界中で決して少なくない人々が一切食事を取らず - そして水さえ飲まずに - 何の支障もなく生活しているという。そしてそうした人々は、自らのことをして「独立栄養生物」だというのである。独立栄養生物とは、例えば光合成を行う多くの植物のように、自分自身で栄養を生産し、それを自らの生命の糧とすることが出来るものを指す。しかし、本来生態系において最も強欲な消費者 - 「従属栄養生物」である人間に、本当にそんなことが可能なのだろうか。

ロシアの動物保護団体会長のイリナ・ノヴォジロヴァ氏はここ数年に渡り、不食を実行している人物である。彼女は不食について次のように語っている。「不食というコンセプト自体は、遠い昔から存在しています。例えばロシアの哲学者でエコロジストのベルナツキーは、かなり早い段階で人間の不食の可能性について考え、そして人間は本来宇宙から得られるエネルギーで生きる事が出来るものであると確信していました。実際、現在でも幾人かの人々は不食を実行し、何の問題もなく生活しています。」

■独立栄養生物、従属栄養生物
「現在、地球に存在している生物は大別して二種類に分けることができます。それは独立栄養生物、そして従属栄養生物です。植物の多くは独立栄養生物ですが、それらは太陽や空気といった無機物から栄養を生産し、光合成というプロセスを経てエネルギーを得ることが出来ます。そしてもう一方、人間を含む動物の大半は従属栄養生物に属していますが、これは他の生物から栄養を摂取して生きているわけです。従って、現在不食を実行している人々は、人間というよりは植物に近い存在であるといえるわけです。

現在、モスクワには不食を実行している団体がありますが、彼らは定期的に集まってそれぞれの活動を報告しあっています。私は時々彼らと話をする機会があるんですが、例えばモスクワに住むある女性の話では、幼児が7歳になるまで母乳を与えた結果、8歳になるまでには何の苦もなく独立栄養人間となることが出来たそうです。その母親はもちろん、食べることも飲むこともしません。しかし、母乳はちゃんと出るんですね。

不食はまず、動物性のものを摂取することを止めて菜食主義者になることからはじまり、そして段階を経ながらやがては菜食すらも止めるという形で行われます。そしてそれと同時に飲むことも止めていくわけです。しかし不食を実行している人々が、それによって悪影響を受けることはありません。彼らはむしろ精力的で、明るい人間になります。しかしここで注意しておきたいのは、不食を実行しようとして、ある日突然全ての飲食を止めることは不可能であるということです。それは決して焦らず、一時的な飢餓状態を繰り返しながら時間をかけて行うべきです。さもなけらば、最悪の場合、飢餓や浪費によって死ぬことになるでしょう。」

■断食、絶食、不食
近年、65年間に渡って水も食料も摂取せずに生活している男として世界中に紹介されたプララド・ジャニ氏は、最も有名な不食実践者の一人である。氏は6歳の時に水と食料を絶ち、現在に至るまで不食を実践し続けている。一昨年には科学者らによって調査が行われたが、そこで彼は不食が嘘でないことを証明し、科学者らの度肝を抜いた。調査でジャニ氏は数日間に渡って完全な監視体制が敷かれた部屋に入り、水や食料を摂取せず、更には排尿、排泄さえも行わずにそこで暮らしたという。そして数日を経て尚、ジャニ氏の身体は至って健康のままだったのである。また調査でジャニ氏の体内では尿が生成されていることが明らかになったが、それは排尿されず、膀胱に吸収されていることが明らかになったという。そしてジャニ氏は実験を終え、まず空気から水を得ていること、そして口蓋に孔があり、そこから流れ出すエネルギーを摂取していることなどを語っている。

そしてロシアで最も有名な不食実践者はクラスノダルに暮らすジナイダ・バラノワ(67)である。彼女の場合は、まず最初に肉をやめ、そして野菜を止めるといったように、非常に長い時間をかけて徐々に不食を実行し、現在では完全に不食状態に入ってから既に4年半が経過しているという。またバウマン研究所の科学者らが彼女を調査した結果、彼女の身体は年齢にして20歳程度の若さを保持していたことが明らかになっている。同研究所のスピリドノフ博士によれば、彼女の身体は至って健康であり、胃を除く全ての器官が正常に機能していることを確認したと話している。そして博士の結論どおり、彼女は現在、病気もなく至って健康であり、非常に快活であるという。

しかしまた、彼女は不食についてその厳しさを次のように語っている。「不食という新しいライフスタイルに慣れるまでは本当に苦しみました。痙攣や極度の疲労、喉の渇きに襲われ、時にはこのまま死ぬのではないかとさえ思いました。しかしそういう状態を1ヶ月半経て、ようやく健康状態が回復してきたんです。」

■自給自足のシステム
このように、現在ではまだ数少ないが、何も食べず、何も飲まずに生きている人間は既に、実際に存在していることが確認されているのである。あたかも人間の存在を根本から覆す彼らの身体には、一体いかなるシステムが機能しているのだろうか。一説には、こうした不食の実践が人間を根本から、新たな自給自足型の人間に作り変えるのではないかという推測も行われているが、その原因は未だ定かではない。

近年の栄養学によれば、人体に必須とされるB12ビタミンは動物性食物の中にのみ存在していることが確認されている。従って、菜食主義は人間にとって本来は不適切な状態であると言えるはずなのである。しかしまた最近行われた報告によれば、そうした事実にも関わらず、菜食主義を実践している人々の身体から十分なB12ビタミンが存在していることが発見されている。この結果は研究者らを悩ませたが、更なる研究の結果、それらのビタミンは腸内のマイクロフローラ(常在細菌群)の活動によって合成されていることが明らかになりつつあるという。また更に別の研究では、人間の腸は、アミノ酸を合成する微生物を作り出すことが可能であるという新たな事実も報告されている。

食 - それは人類にとって未来永劫不変の活動である。おそらく多くの人々はそれを疑いさえしないだろう。しかし、世界には既に、食事を絶ってなお快活に生きている人々が少なからず存在しているのである。
あなたが毎日口に運ぶそれは、果たして本当に必要なものなのだろうか?
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