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294849 毛沢東は何を目指していたのか?@〜毛沢東の生い立ちと理論〜
 
mosimobox ( 20代 会社員 ) 14/09/03 PM11 【印刷用へ
毛沢東による大躍進政策や文化大革命といった大規模な政治運動が、大量の死者を出したことは中国国民も認める事実ではある。それなのに中国国民の毛沢東支持は衰えることも無くむしろ昨今盛り上がりを見せている。
その理由はなぜなのか?そもそも毛沢東自身が成し遂げたかった事は何だったのか?毛沢東の生い立ちから押さえていきたい。

以下、キヴィタス日記リンクより引用します。

***以下引用***
■毛沢東の生い立ち
毛沢東は、1893年12月26日湖南省の中農の家庭に生まれた。両親と弟二人。父は、理財の才があり、資産を増やしていったという。父は、毛沢東に自分の有力な助手になってもらいたくて私塾に通わせた。しかし、毛沢東はこのような父に反抗して育ったと述懐している。かれは、長沙の飢饉で人々が暴動を起こして処刑された話を聞いて、憤慨を感じる人間になっていた。父親が貧民に略奪されて怒り狂っていても同情しなかったという。

毛沢東は、成長し長沙に出て、湖南第四師範(のちに第一師範と合併)に5年在学卒業する。若き日の日記に、「天を相手に奮闘す そのたのしみ きわまりなし。地を相手に奮闘す そのたのしみきわまりなし。人を相手に奮闘す そのたのしみ きわまりなし」と記していたという。毛沢東は、ここで「第一師範の孔子」と噂される楊昌済という教師と出会う。毛沢東の回想によると、「楊昌済は、理想主義者で、道徳性の高い人物で、自分の倫理学を非常に強く信じ、学生に正しい、道徳的な有徳な、社会に有用な人物になれという希望を鼓吹した」という。毛沢東は、この教えを聞き、「いささかも自私自利の心のない精神を樹立して、高尚な、純粋な、道徳をもった人になろう」と手記に記している。また、「体育の研究」という論文(のちの毛沢東思想の原型があるとされている)を書き、「学校の設備、教師の指導、これは外なる客観であって、われわれには内なる主観というものがある。いったい、内において、心に断ずれば体は命令に従うものである。自分が発奮しなければ、外なる客観が善を尽くし美を尽くしても効果をあげることはできない。故に体育を重んじる人は、必ず自ら動くことから始めなければならない」と論じた。この他に「心の力」という論文を書いており、楊昌済は激賞したという話が伝わっている。毛沢東の最初の妻は、楊昌済先生の娘、楊開慧である。毛沢東は、「楚に三戸あれば、秦を亡ぼさん」という湖南の昔の国「楚」の詩人の愛国の憂憤を書きとめ、「愛国の熱情をもつ若き友を求む、困苦に耐え祖国のために犠牲となる決心ある志士よ、通信により連絡されよ」というビラを各学校に貼り出すなどして、憂国の士となっていく。

毛沢東は、24歳の時第一師範を卒業して、北京と長沙を往復しながら湖南学生連合会を組織する。そして1921年毛沢東27歳の時、中国共産党の創立に湖南省代表として参加する。当時の毛沢東は、湖南省を北京から分離するという主張をしており、米国式の「連省自治」を構想していたともいわれている。

■毛沢東の理論
毛沢東の理論は、マルクス・レーニン主義とは少し異なる。中国の実情が反映されているといわれる。その理論の中には、「中国」の伝統的概念が取り入られている。

毛沢東のマルクス主義理論の構築にあたっては、中国の古い概念「実事求是−事実に基づいて、物事の真相・真理を求めたずねる。また、先入観を持たず、風説にも惑わされることなく、真実を求めようとする姿勢をいう」、「陰陽の弁証法ー弁証法の矛盾の概念を陰陽の二元説に置き換えているという見方がされている」を下書きとしながら、『矛盾論』において革命への具体的適用を扱ったとされているのである。それゆえ、ソ連側は毛沢東の弁証法に対する理解を異端とみなしていたという。

『矛盾論』の中の「四、矛盾の特殊性と相対性に関する分析」に、「政治、文化などの上部構造が経済的土台の発展を阻害している場合には、政治や文化に対する革新が、主要で決定的なものとなる。このように言うのは、唯物論に背いているだろうか?背いていない。なぜなら我々は、全体的な歴史発展の中では、物質的なものが精神的なものを規定し、社会的な存在が社会的な意識を規定することを認めるが、同時に、精神的なものの反作用、社会的存在に対する社会的意識の反作用、経済的土台に対する上部構造の反作用をもまた認めるし、また認めなければならないからである。これは、唯物論に背くことではなく、まさに、機械的唯物論に陥らずに弁証法的唯物論を堅持することである」と記述している。

また、毛沢東の持久戦論の旧版には、「やるとすれば、まず思想があり、道理があり、意見があり、計画・方針・政策・戦略・戦術があるべきであって、そうしてこそ、はじめて、やることができ、また、りっぱにやることができるのである」と記述している。

精神的なものが物質的なものを動かすという論点を提示している。これは、マルクス主義にはない論点であり、青年時代に既に育まれた儒教倫理と「心の力」という論文を書いた青年時代の考えが基調にあると考えるのが妥当であろう。

文化大革命を考える上で重要な毛沢東の思想として、「破なければ立なし」「破を押し出せば立はおのずと付いてくる」、「天下の大乱から天下の大治に至る」という考えがある。この理論は、マルクス主義の唯物弁証法には符合しない考えであるのだが、毛沢東の中国共産主義革命を知る上では無視できない論点である。つまり、旧い生産関係、旧いイデオロギー、旧い生活習慣等々を打破して「破」が成立することによって清められ、「立」の任務が生まれ、生産と建設を工作することに至る。旧いものを打破するために乱を起こす必要がある。文化大革命は一つの政治闘争、階級闘争であり、それは思想を清め、政治を清め、組織を清め、経済を清めるものである。修正主義を歩んでいる党と国家の指導的幹部は、通常の方法では打倒できず、天下大乱の情勢をつくり出すことによって逃げ場をなくして初めて打倒できる。このため、毛沢東は乱を恐れず、乱を作り出そうとする。その後「立」をなそうと、党の組織工作、政権機関の工作、労働組合の工作、各種の大衆団体の工作を呼びかける。中心工作に奉仕しようと呼びかけるのだ。

中国の歴史は、古代春秋戦国の時代より破壊と再生の繰り返しであるといわれる。領土の奪い合いから始まり、秦の平定以降は天下の奪い合いであった。そして奪った後の政治体制は、以前の中央集権の官僚政治であった。ほとんど変わらなかった。この歴史が、毛沢東の「破」と「立」の理論の根底にあったのではなかろうか。「乱」と「治」は、繰り返してきた。この繰り返しこそが、プロレタリア独裁下での継続革命による共産主義社会への弁証的発展方法と考えていたのではなかろうか。ただ、他の人には、全く理解できていなかったようである。

Aへ続く
 
 
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