次は、富士山が世界遺産登録された意味について考えてみたい。
噴火活動が高まる富士山が世界遺産となった背景には様々な事情が憶測されるが、コンゴやインドネシアの国立公園のように地下資源の収奪が意図されている可能性など果たしてあるのだろうか。
日本がコンゴやハイチのように金融権力につけ狙われるほど、豊富な地下資源に恵まれているとは想像しにくい。石油資源を輸出に頼りにきっている日本に、資源国のイメージがうすいからだ。しかし、かつて江戸時代には銅の輸出で世界一だったこともあり、その可能性は皆無といえない。現に富士山だけでなく、日本という島国はその近海において、地殻プレートが4枚重なる世界でも希有な地域であり、プレートが重なる地域には、様々な鉱物資源が存在することがわかっている。日本と同様に4枚のプレートが重なる島国のハイチは、先述のように世界屈指の鉱物資源国である。
幸いにも治安が安定している日本では、ハイチのように米軍や国連軍によるあからさまな侵略行為は行われていないが、その代わりに条約の批准と世界遺産登録といった、より洗練された方法で国土と資源の詐取が画策されているのではないか。
たとえば、一般的な火山でも数百万ドルの鉱物資源が埋蔵されているが、世界有数の火山である富士ともなればいかほどのものだろう。金融権力は富士の地下資源について、衛星からの断層撮影を使い、日本政府に先んじて未知の鉱物資源の存在をつかんでいるかもしれない。しかし、近代においては富士近辺で鉱物が採掘された記録はなく、希少鉱物の存在も確認されていない。またその昔、富士近辺には金山が多くあったという古文書が存在するが、富士の地下に眠る大金鉱脈の存在は推測の域を出ない。
しかし、富士の地下には金以上の地下資源を蓄えていることがすでに判明している。それは、湧出量200万トン(1日当たり)という豊富な水資源だ。
「不老不死の妙薬」を求め、今から2千年以上前にはるばる中国から遣わされた除福が求めていたのもこの水源だったと言われる。彼の建国した長寿の国「蓬莱国」は、西暦800年の富士山の噴火で滅亡したとされるが、豊富な水資源は今も健在だ。
金は希少鉱物としての価値があるが、水は人が生きていく上で不可欠なものという点では、水の方がはるかに価値が高い。特に富士の地下水は水質が優れており、健康促進、病気の治癒など多くの可能性を秘めている。この水資源を国家レベルで開発し、国民に積極的に飲用させれば、健康レベルを飛躍的に改善させ、財政を圧迫している国民医療費を大幅に低減させることも夢ではない。
現在、世界遺産条約では「(保有)国の主権と財産権は害されるものではない」(第6条)「締約国はこの条約を廃棄できる・廃棄通告書受領後12カ月で効力を生ずる」(第35条)となっているが、もし、条約の内容が変更されたり、国連が世界政府に移行すれば、世界遺産はそのまま丸ごと、金融権力の私有財産になることもあり得る。世界政府への移行が実現するかは不明だが、もしそれが実現すれば、世界遺産は世界政府の所有物になることは確実であり、現在、世界中で進行している世界遺産のリスト作りは、その未来を想定しての動きだ。富士山の世界遺産登録。それは、日本一の水資源と未知の鉱物資源を有する「日本のシンボル」が世界政府への献上という形で奪われる未来へとつながっている。
日本は従来、国定公園や文化財指定の制度で、自然の美観や文化遺産を保存してきた。しかし、90年代に入り、ユネスコから多額の拠出金と条約の批准を要求され、金銭面の折り合いでもめたあげく、1992年、先進国の中では最後に世界遺産条約を批准することになった。
その後、国内で数々の世界遺産登録が続いている。それは実のところ、世界のために子孫への遺産を次々と失っているのかもしれない。
●地震で「一瞬のうちに」金鉱床が形成か
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●富士山に眠る大金鉱脈
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●富士山地下圏が涵養する莫大な水資源
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●長寿王国 封印された王国の秘密を解き明かす
「病気は水で治せ」
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●世界遺産条約
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