恋愛って、何?結婚って、何?
289362 恋愛至上主義ゆえに結婚制度が壊れ、家族が消失する
 
ET 14/04/17 AM00 【印刷用へ
「なぜ恋愛感情を狂信的に崇拝すると、結婚制度が壊れるのか」リンク

日本も含めて、現代文明を受け入れた国々の多くはすでに結婚という制度は崩壊しているか、崩壊の途上にある。結婚という制度はもう形骸化してしまっているのだ。
日本でも1972年の109万9984件をピークに、あとは急減しており、2013年は66万3000件にまで落ち込んでいる。

ところが、逆に離婚は1974年は11万3622件だったのが、2013年は23万1000件となって2倍以上の伸びだ。
離婚が伸びているというのは、要するに「家族の破壊」が増えているということでもある。現代は、大切な人間関係が成就している時代ではなく、大切な人間関係の破壊が進んでいる時代なのだ。

3人に1人は離婚している。離婚は珍しいものではなくなっている。むしろ、結婚生活が10年、20年も続いているということが「すごい」と珍しがられる逆転現象も起きている。

◆結婚制度はこれからもどんどん形骸化していく
日本における結婚制度はこれからもどんどん形骸化していくのは間違いない。なぜなら、結婚制度を破壊する文化的な要素が現代社会には満載だからだ。結婚が成り立たなくなっている理由は様々なものがある。
あまり指摘されていないが、現代社会で結婚が維持できにくいのは、「恋愛の自由化」も要因としてある。

かつて、日本の結婚には見合いというものがあって、恋愛感情がないまま結婚することは珍しいことでも何でもなかった。親が選んだ相手と、素直に結婚していた。
親が選んだ相手と一緒になるというのは、恋愛至上主義の私たちから見ると信じがたい結婚形態のように見える。自分の人生を親が勝手に決めるのだから、個人主義の浸透した現代人には想像もできないかもしれない。

しかし、世界を見回すと、そういった「見合い結婚」は珍しいものでも何でもない。人間は愛がなくても結婚できる。実は、そういった形式の結婚が当たり前だった時代では、皮肉なことに結婚は長続きした。
離婚が容易でなかったという理由もあるが、実は本人同士も「自分の感情など関係なく一緒にいるのが結婚だ」という義務的な意識があったからだ。

しかし、自由意思での結婚、あるいは恋愛の成就としての結婚の場合はそうではない。恋愛感情が結婚の動機になった場合、恋愛感情が消えたら一緒にいる理由も消えてしまう。
恋愛に重きを置くカップルであればあるほど、恋愛感情が消えてしまった状況の中で一緒にいるのは無意味に感じるようになる。「好きでもないのに、なぜ一緒にいるのか?」ということになってしまうのだ。

◆「性格が合わない」という理由の前にあるもの
離婚の理由の第一位は、男女ともに「性格が合わない」というものだ。しかし、実際はそれ以前に「恋愛感情が冷めた」という双方の感情の変化がある。

現代人は、メディアに洗脳されてしまっており、異様なまでに「恋愛至上主義」となっている。しかも、自分が恋愛主義に毒されているということすらも自覚できていない。
これは、恋愛という感情に、客観的になれないことを意味している。一種のカルトのようなものだ。恋愛という感情を、不必要なまでに崇高なものにしてしまう。
その結果、恋愛感情に狂信的になり、恋愛感情を否定することができない。
恋愛感情に狂信的になるというのは、それを求めるということでもある。だから、結婚した相手とは恋愛感情が消えても、別の誰かと恋愛することになる。
結婚相手以外の誰かを好きになる。そうなると、ますます結婚を維持する理由がなくなっていく。こういった恋愛感情による結婚のはかなさに本能的に気付いている人もたくさんいる。

◆恋愛感情は冷めるし、恋愛感情は移り変わる
「誰かを好きになって結婚しても、恋愛感情はいずれ冷めるのだから、好きで結婚しても意味がないのではないか?」
本能的にその部分に気付いた若者は、結婚制度に懐疑的になる。むしろ、結婚しないで付き合い、壊れたら別れ、戸籍を汚さない方がメリットがあると考える。結婚が晩婚化しているのも、結婚を選択しないのも、そういった恋愛至上主義に対する懐疑的な感情が裏側にあるからだ。

そして、日本のみならず、世界中で結婚という制度が破綻しつつのあるのは、恋愛結婚の限界を示している。
恋愛感情は冷めるし、恋愛感情は移り変わる。
結婚するならば恋愛感情以上のものが必要になってくるが、恋愛至上主義になっていると、そこに気付かない。恋愛感情だけで結婚してしまう。

しかし、恋愛至上主義になればなるほど、恋愛感情の消えた結婚に意味を見いだせないので、たとえ子供がいたとしても「かすがい」にならずに離婚に突き進む。
だとすれば、結婚する理由が「好きだから」というのは、今やほとんど意味がないということに気付かなければならない。恋愛感情はどのみち消えてしまうのだから、それと結婚を短絡的に結びつけては失敗する。

その前にもっと重要なのは、現代の恋愛至上主義の風潮に疑問を持つことかもしれない。メディアや、社会や、文化は、全力で恋愛至上主義を持ち上げている。
なぜか、恋愛感情だけを異常なまでに崇高なものにして煽っている。それを疑うことを許さないような、カルト教団のような風潮でもある。
そして、自分が恋愛至上主義に毒されてしまっていることにすら気付かずに、多くの人がそれに踊らされている。そして、結婚は壊れ、家族は消失する。
 
 
  この記事は 289208 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_289362

 この記事に対する返信とトラックバック
結婚制度は崩壊寸前!?〜個人の自由と集団再生の綱引き 「共同体社会と人類婚姻史」 16/12/25 PM08
314488 制度と意識のズレから生まれた「代行サービス」 竹村誠一 16/04/25 AM11
307040 少子化の原因は恋愛至上主義ではなかろうか 匿名希望 15/08/21 PM06
290761 明治期における「恋愛」観念輸入の実態  西谷文宏 14/05/30 AM02
289433 恋愛の根底には不倫があり結婚とは別物だった〜フランス:恋愛の起源 澤根和治 14/04/19 AM01

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
人類の進化
ヒトは何種類いたのか? 「異種同時共存説」による人類進化
「アフリカ起源説を補強する新証拠で、窮地に陥った多地域進化説」 @
「アフリカ起源説を補強する新証拠で、窮地に陥った多地域進化説」 A
単一起源か?多地域起源か?(その2)
アニミズム(精霊信仰)について
シャーマニズムと幻覚回路
原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった
共時一体感覚にささえられる文字による共認 2
不安発の古代宗教と感謝・同化の精霊信仰
ネアンデルタール人は「野蛮」だったか?   人類の生活をどう復元するか
スンダランド海洋航海民の誕生
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないか@
黒曜石、翡翠の広域に渡る存在は、交易ではなく贈与の結果ではないかA
ポトラッチの実態
捧げものが同類闘争圧力により変質したものがポトラッチ
贈与の意義
採取時代の適応原理
「祭り」の多面性と核心
祭りは共生適応ではなく集団統合(解脱+闘争)共認の場
人類の本性は共同性にある@
人類の本性は共同性にあるA
人類はなぜ大地を耕しはじめたか? 寒冷期と農業の起源
4大文明の多元的・同時発生説
戦争がなくならないのはなんで?:ノート2
原始時代〜部族連合時代〜武力支配時代
武力時代の東洋の共同体質⇒秩序収束⇒規範収束
西洋の自我収束⇒観念収束⇒唯一絶対神信仰
白人の部族移動の歴史
山賊・海賊によってつくられたギリシア・ローマ
戦争の起源
西欧だけが性を罪悪ととらえる文化であるのはなぜかA〜古代ギリシア・ローマに快楽敵視が存在した証拠はない
西欧だけが性を罪悪ととらえる文化であるのはなぜかB〜隠蔽したいローマ帝国崩壊後の空白の200年間

『るいネット』は、45年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp