経済破局は来るのか?
287026 株価の茶番
 
14/02/06 PM07 【印刷用へ
●景気を現す指標として使われる「株価」であるが、海外ファンド・マネーと政府・日銀マネーが繰り広げる「茶番」なのではないか。

●アベノミクスによる日銀の「量的緩和」は日本国民のための政策などではなく、米FRBの量的緩和の後を受けてマネー供給を指示されているだけであり、要するに金貸しの延命or時間稼ぎなのではないか。

ビジネス知識源2014年1日27日:Vol.307リンク より抜粋して引用。
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■1.株価の変調

2014年の年初から、世界の株式市場は、米国FRBの、量的緩和の一部縮小の発表(2013年12月18日)を受けて、変調をきたしています。

株価の上昇は、時価総額の上昇であり、これは資産額の増加により、経済に対してマネーが増発されるのと同じ効果をもちます。下落はマネー額の縮小と同じです。14年1月27日で東証一部の時価総額が451兆円です(PERは16.4倍)。(二部は5.8兆円、ジャスダックが10.2兆円)。日経平均の5%の騰落で[465兆円×5%=23兆円]、10%の騰落で46兆円、20%では90兆円規模の、マネー量の増加/縮小です。

10年以上前から、売買額でもっとも大きいのは、海外(ほとんどが租税回避地)から売買しているヘッジ・ファンド、および投資銀行、年金や国家ファンドです。
米国の株式売買額は、日本(東証)の10倍です。日本の株式市場は、ドイツに似て、GDPの割には小さい。株は圧倒的に英米資本主義です。
日本市場の売買額(2兆円から4兆円/日)の60〜70%は、外人投資家です。
オフショアは、ケイマン島やバージン諸島、香港、シンガポール、スイス、米国デラウァエア州など、世界で主要60ヵ所です。世界の政府の、規制と税が及ばない特別法令区です。
2013年現在で、世界の銀行資産(推計6000兆円)の、50%はオフショアにあると推計されています。大きな金融は、闇の世界です。アマゾンもアップルも、その金融資産は、オフショアであることは知られています。

●2013年の株価上昇(ほぼ1万円→1万6000円:日経平均)は、この外人投資家が、1ヶ月平均で1.2兆円、年間で15兆円買い越したことによります。(注)ほぼ100%が、オフショアからの売買です。

2012年11月以降、ガイジン勢の買いが、売りより先行して注文をつけたので、日本の株価は2013年で60%上がり、「アベノミスクへの期待で、経済は好転した」とされてきました。

■2. 2014年1月:FRBの量的緩和の一部縮小

2014年1月には、米国FRBが、2012年9月から、1ヶ月に国債$450億(4.5兆円)、住宅ローン担保証券のMBSを$400億(4兆円)買い続けていた量的緩和第三弾(QE3)を、$100億(1兆円)縮小しました。

2012年8月の米国FRBの総信用は、$2.8兆(280兆円)でした。2014年1月23日には$4.0兆(400兆円)にふくらんでいます。この間、米国FRBは、$1.2兆の国債とMBSを買い増しして、$1.2兆(120兆円)を、米国の金融機関がもつ預金口座(FRB当座預金)に、ドルの現金として振り込んでいます。この$1.2兆(120兆円)が、量的緩和第三弾(QE3)による米ドルの増発額です。リンク

こうした、中央銀行の増発マネーが、100年に1度の信用恐慌と言われた(前々FRB議長グリーンスパン)リーマン危機以降の、金融恐慌を救い、世界の株価を、大きく上げてきました。2013年は、バブル的な上昇だったと思えます。

▼【重要】合計1000兆円の、中央銀行によるマネーの増刷があった

2008年9月以降の、米ドル(米国FRB:+320兆円)、ユーロ(欧州ECB:300兆円)、元(人民銀行:+300兆円)、円(日銀:+100兆円)の、同時マネー増発額は、驚愕すべき1020兆円余です。
08年9月以降の、世界的な信用恐慌に対して、未曾有な金額1000兆円余(世界のGDP 6000兆円の17%)の通貨を増発して、金融機関に与え、1000兆円マネーによって、08年以降の、金融・経済・株価が底上げされてきたと言えます。
この延長で言えば、米国FRBが「量的緩和を縮小する出口政策に向かう」という方向は、大きな転換です。量的緩和を拡大することはなくなったと見なされるからです。

ただし、米国FRBの量的緩和縮小の方向を、大きく補うのが日銀による、月間8兆円($800億に相当)の、異次元緩和という円の増発です。この円の増発は、国内金融機関が所有する預金の増加です。
この金融機関で増加した円は、米国の金利が上がると、ドル買い(円売り)に向かうマネーです。あたかも、FRBから、日銀がマネー増発のバトンタッチを受けたように、思えます。
FRBの$供給縮小と、日銀の円の大増発の、それにしても見事な時期の符合です。FRBのQE3が1ヶ月$850億(8.5兆円)、日銀のマネー増発が月8兆円と、金額までほぼ同じです。

■3.日本株は、ガイジンが売り超に転じた

2013年は年間で15兆円、月間で1.2兆円、週平均では3000億円も買い越していた外人投資家が、2014年の新年明けから、以下のように売りに転じています。外人投資家は2013年に15兆円買い越して、15兆円分、持ち高を増やしています。これは、下げの局面に向かうと、大きな売り圧力になります。

世界に、グローバルな投資をしている英米系のヘッジ・ファンドとファンドは、米国FRBの量的緩和の一部縮小を受けて、新興国への投資を引き揚げ、通貨米ドル(ドル預金)、および金利が3%付近の米国債に転じています。この投資引き揚げにより、アルゼンチン通貨(ペソ)、メキシコ・ペソ、トルコ・リラ、南ア・ランドなどが、大きな下落を見せています。日本株からも、まだ少額ですが、引き揚げの兆候が見えています。

買い越していた主体が、売りに転じた場合、その売りによる下落の圧力は、2倍は強いものになります。

ただし、日本では年金基金(GPIF:124兆円:13年9月)による日本株の買いと、日銀による株ETF(上場投信)の買いは、2012年2月、3月、4月と予定されていると見ていいでしょう。消費税増税の影響による株価の下落、景気の低下を緩和するのが、政府の予定だからです。
(注)GPIFの、現在の国内株での運用額は20兆円(構成比は16%)です。10兆円分くらい増やすことが可能になると、外人売り(大きなときは月1兆円の売り超を予想)を補えます。

日本の株価が下落傾向を示すと見られたときは、GPIFと日銀にを使う「PKO=価格維持戦略=Price Keeping Operation」が想定できます。
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