共認心理学:現代の精神病理
286483 凶悪犯罪を起こすのは誰か?
 
THINKER・鶴田 HP ( 40代 自営業 ) 14/01/22 PM11 【印刷用へ
 人間には周囲の人々と共感し、調和し、協力して生きる側面がある一方で、ビジネス、スポーツ、芸術など、様々な分野で競争し合う一面もある。どちらも人に備わった性質だが、競争の極限に「戦争」がある。戦争は、上層部にとってはゲーム感覚の遊びかもしれないが、前線の兵士にとっては血生臭い殺し合いである。
とはいえ、上官の命令だけで、人が人を簡単に殺せるものではない。あらゆる動物には、同種間の殺害行為を抑止するプログラムが組み込まれているからだ。

以下、ゲーム中毒の危険性に警鐘を鳴らした岡田尊司著『脳内汚染』から、人を殺人ロボット化する軍隊の特殊訓練についてまとめてみた。

第二次大戦に関する軍事心理学の研究調査では、前線で敵に発砲する狙撃兵はわずか15%〜20%。また銃殺刑の際にも引き金を引かない銃殺隊員が多く、戦争や職務の最中でも、人間には殺人行為に対する強い禁止プログラムが埋め込まれている。

そこで軍隊では昔から、殺人に対する兵士の心の抵抗をなくすため、様々な特殊訓練が実施されてきた。その基礎である「古典的条件付け」は、期待される行動をとる度に報酬を与え、一定の行動を強化していくやり方。(実験用マウスやショーで使うイルカやアシカの訓練と同じ)。兵士の場合、戦闘訓練で敵を多く倒して、良い成績を挙げた者に賞賛や特別休暇が与えられる。

次に、一定の刺激に一定の反応を即座にとるよう、「オペラント条件付け」という反射訓練が行われる。第二次大戦時の射撃訓練には黒い円の標的が使われていたが、これが実践で役に立たないとわかるとその後、ポップアップ式の人型標的が使われるようになった。70年代のフォークランド紛争で、アルゼンチン軍は射撃訓練に旧式の黒い円の標的を用いていたため、発砲率が10〜15%と低かったが、イギリス軍はポップアップ式の人型標的で射撃訓練を行ったため、発砲率は90%を超えたという。

さらに、殺人行為に対する感覚を麻痺させるために「系統的脱感作」という、恐怖症や強迫性障害の改善に使われる技法を用いた訓練が行われる。刺激の弱い状況から始め、ゆっくりと時間をかけて徐々に刺激の強い状況に慣れさせ、苦手な状況でも恐怖や不安を感じなくさせる。
殺人行動のプログラミングは、この「反射」と「慣れ」の訓練を長期間行うことで、はじめて可能になる。

アメリカ軍では、兵士を殺人行為に慣れさせる(脱感作する)ためにシュミレーション・ゲームを活用している。ゲームで殺人訓練を受けた兵士は、その9割以上が敵に躊躇なく発砲し、相手が倒れても動揺しないという。イラク戦争では、シュミレーション・ゲームで訓練を受けた兵士が活躍し、多くのイラク人を殺害した。

イラク戦争から帰還後、アメリカ人兵士の多くがPTSDを発症し、無人爆撃機をスクリーンから操作した兵士も重いPTSDを発症した。加害者も被害者となるのだ。

『脳内汚染』では、軍の殺人シュミレーションと同種のゲームに中毒した若者が凶悪事件を起こす危険性に警鐘を鳴らしている。ただ、同書で取り上げているアメリカの数々の銃乱射事件の詳細を調べると、犯人の少年たちはスケープゴートにすぎず、軍の特殊部隊によるブラック・オペレーションだった可能性が高い。
ゲーマーが凶悪犯罪を犯す可能性もあるが、実際に危険なのは軍隊で特殊訓練を受けた殺人部隊の兵士であることは間違いない。

子どもをゲーム中毒にさせないことも大事だが、凶悪犯罪をなくすには、軍で行われている特殊訓練の異常性を社会が広く認識する必要がある。

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