原爆や原発の道を切り開いたアインシュタイン。その一方で、われわれの日々の生活に電気(交流発電)をもたらしてくれたテスラ。アインシュタインは科学者の名声をほしいままにしたが、テスラは人類へのさらなる貢献のため、フリーエネルギーの実用化に近づいたため、アインシュタインを支持した金融権力と軍産複合体の手で潰された。彼の研究所は焼かれ、異端科学者のレッテルを貼られた上に歴史から抹殺されてしまった。
しかし、いま世界中で多くのエンジニアや電気工学者や物理学者が、テスラに再注目し、彼の科学知識を真剣に研究することがブームになっているという。日本でも、昨年末にブログで有名な物理学者の井口和基氏が、『ニコラ・テスラが本当に伝えたかった宇宙の超しくみ(上)忘れられたフリーエネルギーのシンプルな原理』を出したので、さっそく読んでみた。
難解な物理学の方程式などの記述は難しいが、現代物理学の土台がそもそも間違っていることや、地球と地球空間が電気を蓄え、電気を伝える媒体であることをつかめば、フリーエネルギーの存在とその実用化が絵空事でないことが一般人にも理解できる。
そのはじめとして、雷や一般の電気回路で使われる真空管やトランジスタが紹介されている。エネルギーの増幅現象を生むこれらの負性抵抗は、フリーエネルギーを理解する入口であり、その利用の鍵となる。これらの現象はフリーエネルギーの一形態であるが、われわれが気づいていないだけなのだ。
著者の井口氏の経歴は、東京理科大学で物理学の専門課程を修了後、アメリカの大学で物理学の博士号を取得。日本国内の数々の一流企業や研究所で研究員として実績を積み、最近は高専で講師を勤めていた。
高専といえば、私も中学を出た後、地元の高専の電気工学科へと進学した過去がある。高専(工業高等専門学校)は日本が高度経済性成長時代に国家を担う優秀なエンジニアを育成すべく設立した国立の教育機関で、各都道府県に一つずつある。(NHKで放映される高専ロボコン大会は有名)通常の高校・大学の教育課程を5年間の一貫教育で行うため、高校の普通科相当の勉強を2年で終え、残り3年間は専門課程の履修に充てられる。高専では、中学を出たての若者に年配の教授が直接授業をしてくれることもあるので、当時は光栄に感じたものだ。しかし、電気工学の授業でテスラという天才科学者の存在やフリーエネルギーの可能性を教えられる機会はなかった。(磁束密度の単位として「テスラ」の名が出てくる程度)電気工学の道に可能性を感じることができなかった私は、留学した後に退学してしまった。井口氏のような教官がいれば、電気工学の世界に希望や情熱を持てたかもしれない。
井口氏は、これからフリーエネルギーの実現を目指す科学者に具体的な提言をしている。「アインシュタイン以前の19世紀の忘れられた数学に舞い戻り、誘電気と磁気の本当の理論を作ること」や「テスラの科学知識を解読した電気工学の天才・スタインメッツの残した資料を完璧に理解すること」さらには「電気回路は本来、孤立系ではなく開放系。開放系で考えること」などである。
われわれの住む世界はすべてがつながり、入力と出力を繰り返す「開放系」の世界である。現代物理学の世界の大前提である「エネルギー保存則」と「エントロピー増大の法則」は「孤立系」の世界で構築された一種の宗教的確信であり、洗脳に近いものだという。
現代物理学を知り尽くした井口氏が、物理の「孤立系」の思想圏から出るべく始めたのは、生命現象の研究。この側面から「孤立系」と「開放系」の違いがわかりやすく説明される。
生命現象は「孤立系」では説明できない。DNAは細胞の外に出てしまえば、単なる高分子だが、細胞内ではプログラムとして生きる。物理的にも同様に、CDはCDプレーヤーの外では単なるプラスチックの薄い円盤だが、プレーヤーに入れれば、プログラムとして機能する。人も同様で、社会から孤立すれば失業し、無職の個人として機能しないが、会社など組織に入れば、社会人として機能する。
物理学に限らず、「孤立系」で考え、物質を死んだものとして扱うすべての学問(金融工学、経済学、医学、感染症学など)に根本的な間違いがあるのは当然だろう。
テスラは言う。「現在はかれらのものだが、未来は私のものだ」
テスラの後を継ぐ真の科学者がもたらすフリーエネルギーの世界を願ってやまない。
リンク
●正統科学史から消されてた科学者ニコラ・テスラ
リンク
●ウィキペディア ニコラ・テスラ(1856−1943)
リンク |
|