市場の支配構造
286013 デフォルトとは何なのか?
 
雪竹恭一 ( 51 営業 ) 14/01/09 PM09 【印刷用へ
>世界で最も安全な金融商品の1つ国債ですが、その歴史をひもとけば、デフォルトつまり踏み倒しのオンパレードなのです。
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>交易国家ジェノバは実物経済・商業で利潤を確保できなくなり、蓄えた富をスペイン王室に貸すことで金融経済化した。スペインの破綻とともに増殖したその金融資本はオランダに投資されて実物経済を拡大させるが、やがて実物経済での利潤が確保できなくなると金融経済化して英国に移動し、同様に、それがまた米国に、という覇権の交代と金利=資本利潤率の高低は同時進行する。
>覇権の交代という言葉は、寄生先の交代と換言できよう。
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15世紀の大航海時代以降、経済の覇権は、スペイン・ポルトガル→オランダ→英国→米国へと移ってきている。

17世紀の終わりには、金貸しが中央銀行を支配し、金貸しが国家に金を貸すようになって、実質上、金貸しが国家を支配するようになってきている。

大胆な仮説になるが、近代の国家は、実質上金貸しに支配されてきたという観点に立って、デフォルトとは何なのか?その本質を考えてみたい。


・金貸しの起源は、金の預かり商。持ち運びに不便で盗難の危険のある金は金庫に預かり、その代わりに、取引の決済に便利な「金の預かり証」という紙切れを発行した。
・「金の預かり証」は金主の求めがあれば、金と交換しなくてはならないが、全ての金主が交換を要求するわけではないので、一定の比率(準備率)で金を準備しておけば、その何倍もの「金の預かり証」を発行することができた。(信用創造、金兌換制度は建前)
・最大の貸付先が、戦費の調達に窮した国家であった。国家からすると、自分が保有している金や租税調達力を超える資金を調達できるので、金貸しは便利な存在だった。
・そのようにして、金貸しは、とうとう国家に紙幣発行権を認めさせ、中央銀行を設立する。
・国家は、金貸しが発行する紙幣と引き換えに国債を発行して、金貸しから金を借りる。

・国家が戦争に勝っている(外国から収奪している)うちは、国家も戦利品や損害賠償などで儲かるので、国家は金貸しに金利を支払うことができ、デフォルトはしない。
・戦争勝利(収奪)の成果として、国家から武器商人や軍人などに支払われた利益(金を含む)は、一部は消費されるが、残りは金貸しに預金される。金貸しは、国家からの支払い金利で儲かり、さらに預金された利益(金)を元手に、さらに商売を拡大させることができる。

・しかし、国家が戦争に勝てなくなる(外国から収奪できなくなる)と、金貸しに対する金利が払えなくなり、やがてデフォルトに追い込まれる。
・国家は、担保として保管していた金を金貸しに取られてしまう。
・金貸しからすると、実物経済の利潤率が下がり、デフォルトになれば貸し倒れが発生することになるが、それまでに戦争で大儲けをしているので、元々は単なる紙切れにすぎない貸付金が貸し倒れになっても大して損はない。むしろ、国家から手に入れた金、武器商人などから預かっている金などを元手に新たな商売をする(金融経済化して利潤率を上げる)ことが可能。
※近代の金融市場では、デフォルトに乗じて(その仕掛けとして)、空売り等の逆張りで儲けることも可能。
・そのようにして、金貸しは覇権国家への寄生→デフォルト→次の覇権国家を育成・寄生を繰り返す。


以上の考察から仮説を立ててみると、
・金貸しは国家に寄生する寄生虫である。
・寄生先である国家がデフォルトしても、金貸しは困らない。次の寄生先があれば生き延びて、儲け続けることができる。
・覇権国家の衰弱⇒デフォルトに追い込み、次の覇権国家を育てて乗っ取るのが金貸しの戦略。

つまり、デフォルトとは、金貸しが寄生先である覇権国家を乗り換えるための仕掛けである。
 
 
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