実現論を塗り重ねてゆく
285716 明治からの日本は日本では無い(2)
 
垂心 14/01/01 PM08 【印刷用へ
「維新」と云う幻想(リンク)からの引用続きです。

◎幕権強化論(佐幕)
攘夷論で外国人を威嚇するのは良いが、相手が引き下がらなかったらどうするのか?
長く続いた太平の世とは云え幕府は専門戦闘集団である武家の元締めであり、将軍は武家の棟梁である。冷静に戦略を立て国家総動員で長期戦の構えでいれば決して負けることは無かったであろう。戦国時代には世界の銃火器の三分の一を我が国は保持していたのである。
しかし、そうなれば甚大なる犠牲が出るのは間違いない上、軍事技術が遅れていたのは事実であるし、何よりその最新式軍事技術や高性能銃火器を目の当たりにした幕府は、当然それを欲しがった。
その最新式軍事技術を手に入れ迫り来る外圧に対抗すれば、攘夷も可能になり対等に外交が出来る。
海外諸勢力をそれぞれ競合させることによって牽制させ合い、好条件に協力してくれる国を選び、最新式軍事技術を提供させる。
その為には外交窓口を幕府に一本化させる必要があり、幕府の権力を上げる必要がある。
それが「 最新武装技術導入+外交窓口一本化=幕権強化論」である。
つまり攘夷断行の為には最新式軍事技術が必要であり、その為には一旦は開国(決して植民支配受容では無い)し武力を高め、それを円滑に行う為に幕府の権限を強化すると云うことである。
実際に黒船来航から幕府は財政の総力を挙げ、死に物狂いで近代型海軍創設に当たり、十四年の歳月を掛け慶応三年には 対米七割の幕府海軍を整備した。
この頃から攘夷テロが散発し出すが、同年に発生した「寺田屋事件」は薩摩藩の名君島津斉彬の跡目を、島津久光が継いだことに端を発する薩摩藩のお家騒動である。
その島津久光にかかわる「生麦事件」は、日本人をナメきった不良英国人たちによる狼藉で、薩摩藩に非は無い。
従ってこの時点でも未だ幕府は健在、「 維新」でも無い。

ここまでのスローガンは
幕府= 尊皇+攘夷の為開国
天皇= 佐幕+攘夷
長州= 佐幕+尊皇+攘夷
薩摩= 佐幕+尊皇+開国

しかしこの年・・・

1862年の夏、上海から国家転覆を企む男がひとり、日本に帰って来たことから歴史の歯車が狂い出す。
即ち長州藩を過激な倒幕運動に導き、国際金融資本の手先として動いた男、 高杉晋作である。
ここからが倒幕テロリズム開始の年となる。
それに先立つ22年前、清国では英国との貿易の結果アヘン輸入量が増大、大量の銀が国外に流出したため、英国との貿易を禁止。これを不服とした英国は貿易保護を理由に軍隊を派遣した。アヘン戦争である。
敗れた清国は南京条約を締結し、英国に香港を割譲、上海・広東・アモイ・福州・寧波を開港した。
つまり香港を始め上海等は英国に本拠地を置く国際金融資本家たちの集合地帯となっていた。
この連中は世界のほとんどを植民地にし、アジアもインド・ビルマ・シンガポール等を支配下におき、アヘンを撒き散らし、略奪・虐殺の限りを尽くして荒稼ぎしていた者たちである。
そして当時清は「太平天国の乱」真っ最中で、「滅満興漢!」(満族から漢族へ)のスローガンを掲げ、そこかしこに打倒・清を目論んでいる連中がいた。
おそらく高杉率いるグループはここで国際金融資本家や打倒・清を目論む連中から革命思想でも吹き込まれたのであろう。
そもそも高杉の師匠、吉田松陰は易姓革命の理論的根拠となっている「孟子」を信奉していた。
つまりその松陰から薫陶を受けた高杉が革命思想に取り付かれるのも故無きことではない。
フランス革命も後のロシア革命もこの国際金融資本家たちが資金の提供元とされていることを考えると、さもありなんである。

○1863年 薩英戦争
     長州藩、外国船を砲撃
     八月十八日の政変

この薩英戦争は先の「生麦事件」の報復攻撃であるが、そもそも薩摩は英国と密貿易で儲けてきた藩であり、ただの仲間割れである。

一方、当時の長州の藩論の主体は「攘夷」であり、長州の外国船の打ち払いはこれが実行された訳である。
この長州藩の考えていた事は、漁業を妨害する外国船を打ち払い、攘夷を唱えていた孝明天皇の信を得ようという、自衛と忠誠心であった。
しかし当の孝明天皇は
「長門宰相の暴臣のごとき、その主を愚弄し、故なきに夷舶を砲撃し、幕使を暗殺し実美らを本国に誘引す。」
とお怒りになるのだが・・・。
従ってこの時点での長州は「倒幕」ではない。
 
 
 
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_285716

 この記事に対する返信とトラックバック
288066 長州の急転換は、外国金融資本のエージェント「高杉晋作」 垂心 14/03/07 AM00
285765 明治からの日本は日本では無い(3) 垂心 14/01/03 AM00

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である
超国家・超市場論10 何をするにもお金がかかる社会
お金〜ことわざより〜
市場と国家の共犯関係
超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない
超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある
潮流4:輸血経済(自由市場の終焉)
潮流5:失われた40年
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
市場の起源、原資拡大の方法、その真実の姿
金貸しの存在構造、不換紙幣の成立
国家債務危機〜ジャック・アタリ氏から21世紀を読み取る3
現実に社会を動かしてきた中核勢力
統合階級の暴走で失われた40年
米国債デフォルト:金融勢力の狙いは旧紙幣の廃棄
国債暴落後の世界経済はどうなる?
経済破局の下で秩序は維持できるのか?
国家紙幣によるゼロ成長の経済運営
学者・官僚・マスコミは、骨の髄まで金貸しの手先である
劣勢のロックフェラー勢は日本篭城計画を進めるしかなくなった
バブルとバブル崩壊〜金融資本主義の罠を仕掛けたロスチャイルド勢
40年の長期戦略を持ってEU統合と世界の多極化を進めてきた欧州貴族
闇の勢力争いの現状分析〜闇の支配勢力研究家の諸説をどう読むか。
「特権階級の世界」と「大衆の世界」〜2つの世界の断絶と接点は?
民間銀行から「信用創造・破壊権」を取り上げ中央銀行を国有化すればすべては解決する!
アメリカ、欧州で反金融の階級闘争が勃発か
金貸しは目先の利益追求に追われて、地球を破壊してきただけ
マネー経済の急拡大
マネー経済拡大の原因 Aグローバリゼーション
電通を媒介にしたアメリカによるメディア支配
世界中を巨大市場化していく諜報機関
ロックフェラーVSロスチャイルド 2大企業群
「ロックフェラー 対 ロスチャイルド」って何?(2)
「アメリカに食い尽くされる日本」を読んでA
9・11テロはアメリカの自作自演という世界世論
FRBは、アメリカ闇の勢力の中核部

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp