IH調理器は、磁界が出る加熱コイルがお腹の近くにあることから、調理者の生殖機能(妊娠)や妊娠している場合の胎児への影響が懸念されてきた。
IH調理器で使用する磁界の周波数(20〜90kHz)は中間周波数帯(300Hz〜10MHz)に含まれているが、これまでこの領域の電磁界が生体に与える影響については、世界保健機構(WHO)が「中間周波磁界の健康影響を評価するための生物研究が不足している」と指摘しているように、実験・研究が十分に行われてこなかった。
それに対し、電力中央研究所(※電中研)が、IH調理器を含む中間周波数帯の磁界が与える影響を、動物(ラットと鶏胚)を使って実験を行い評価した。
電中研の評価は「(磁界を被爆させていない)対照グループと(磁界を被爆させた)ばく露グループの間で、妊娠率や着床前胚死亡率などに若干の違いがありましたが、統計学的に有意な変化はありませんでした」と結論付けている。
しかしながらそのレポートを見ると、妊娠率も、妊娠中の胎児の死亡率も違いが明確に出ており、これが“若干の違い”の範疇なのか疑問である。
<磁界ばく露なし> <磁界ばく露あり>
◎妊娠雌動物数 24/24 22/24
/交尾雌雄動物数
◎妊娠率(%) 100 91.7
◎雌親当たりの 2.7±3.9 1.9±3.1
着床後胚・胎児死亡率(%)
この電中研の実験・研究は、(電中研の評価とは裏腹に)IH調理器が生殖に与える影響を示すことになったのではないだろうか。
【参照】
「電中研ニュース No.471 2012 Oct 電磁界が生物に与える影響の評価−実験動物を用いて中間周波磁界の影響を評価する−」リンク |
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