経済破局は来るのか?
282366 アメリカ政府閉鎖中に起きていたこと
 
THINKER・鶴田 HP ( 40代 自営業 ) 13/10/17 PM00 【印刷用へ
 10月1日からの政府閉鎖で、世界の注目を集めていたアメリカのデフォルト騒動。
債務上限の引き上げが上院与野党で合意され、回避される見通しとなった。今回ばかりは本当に起きるのかと懸念されたが、これまでのような茶番だったのだろうか。

 今回のデフォルト騒ぎが茶番だとしたら、その茶番の裏で起きていたことが、二つある。「ヘルス・インシュアランス・エキスチェンジ・マーケットの開始」と「新百ドル札の発行」である。

 そもそも今回の政府機関閉鎖の原因は、オバマケア(医療保険制度改革)の予算を組むか否か、だった。その肝心のオバマケアのそのまた肝が、「インシュアランス・エキスチェンジ」ではないだろうか。これが、政府機関が閉鎖された10月1日から開始されている。

「インシュアランス・エキスチェンジ」が設立された表向きの理由は、保険の加入、乗り換え、事務処理を合理化するためとされているが、単純に全アメリカ国民を巻き込んだ「保険の株式市場」である。これが改革の名のもとに行われている。まず、オバマケアの下では、全国民が保険に加入しなければならない。未加入者や企業には罰金が科せられるので全員参加で、この保険ゲームをプレイすることになる。

国民や企業はネット上で保険会社のサービスや保険料を比較して、好みの保険に加入したり、乗り換えできる。しかし、利用できる医療サービスがロックフェラー財閥主導の「医薬投与や手術中心の現代医療」である。
また、オバマケア下における「インシュアランス・エキスチェンジ」は、民間の保険会社にとって、しばらくは良いビジネスチャンスにもなるだろうが、自由競争の結果、多様、複雑化していたこれまでのアメリカの医療保険システムがメガバンクのように一本化されていくことだろう。その後で、寡占化で巨大化した医療保険組織を破綻させてしまえば、アメリカ政府の債務はさらに膨らみ、国民の貧困化もさらに進む。金融権力はそれを見越して、オバマケアを利用しているのかもしれない。

 政府閉鎖中に起きたもう一つの動きが、新百ドル札の発行である。こちらは、閉鎖後一週間経った8日にFRBや財務省、シークレットサービスが共同HP上で地味に緊急発表された。

2年前に発行が予定されていたものが、印刷上の不手際でこのタイミングになったとされ、「新100ドル札が皆様の間で流通するまではしばらく時間がかかります。また旧100札もこれまでのように価値を持ちます」とアナウンスされている。しかし、90億枚近く流通する旧100ドル札のうち、3分の2は米国外で保有され、偽札も多い。アメリカ政府が偽札を理由に、国外の旧100ドルの受取を拒否する可能性もある。
「偽札防止」を発行の目的としながらも、新100ドル札はデフォルト、通貨切替(デノミ)、部分的債務の踏み倒し、またはその布石とみることもできる。

オバマケアと財政危機が問題とされた今回の政府閉鎖。「閉鎖」と言いながら、その間にアメリカ政府は、ちゃっかりとやりたいことはやっていたことになる。
 
 
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