経済破局は来るのか?
282131 日本の終戦直後のデフォルト策
 
川井孝浩 HP ( 40 社会事業 ) 13/10/10 PM05 【印刷用へ
■終戦直後の国内デフォルト策 経緯
1945年
08/15 終戦
08/28 大蔵省に戦後通貨対策委員会設置
09/02 降伏文書に調印
11/24 戦時利得の排除および国家財政の再編成に関する覚書

1946年
01/21 GHQ、政府借り入れ・支払い制限指令
02/17 食糧緊急措置令、隠匿物資等緊急措置令公布
    臨時財産調査令公布
    金融危機措置令、日本銀行券預入令公布
03/03 物価統制令公布
07/24 戦時補償金全面打ち切り閣議決定
08/11 金融緊急措置による封鎖預金
08/15 企業経理応急措置法公布
    金融機関経理応募措置法公布
10/19 戦時補償特別措置法公布
    企業再建整備法公布
    金融機関再建整備法公布
11/12 財産税法公布

■昭和財政史の記録に見るデフォルトまでの流れ
1944年度末の政府債務残高は対国民所得費で267%に到達。
加えて戦時補償債務や賠償問題が重なり、政府債務の確定不可能。
内国債が国債残高の99%を占め、その殆どを日銀と預金部(政府)が引き受ける状況。

この切迫した状況への対処としてまず取られた手段が、財産税の課税。
動産、不動産、現預金等を対象に25〜90%の課税徴収を実施。貧富を問わず国民から冨を吸い上げ、
それを原資として内国債の償還を可能な限り実施し、債務不履行を回避。
戦時補償債務は切り捨てを行い、国民に対して政府負債と同額での「戦時補償特別税」を付加。

これらに先立ち、まっさきに行われたのが2月17日の預金封鎖及び新円切り替えの断行。
新円と旧円の比率は1対1、銀行間で極秘裏に準備を進め、国民向けにはわずか1日で実施に移した。

尚、封鎖預金については「財産税」や「戦時補償特別税」の納税原資として後から充当。
さらに民間金融機関等の経営再建・再編に向けての債務切捨て原資に当てられた。

当時大蔵省内部で実際に検討された事項としては、
@官業及び国有財産払い下げ
A財産税等の徴収
B債務破棄
Cインフレーション
D国債利率引下げ
が選択肢に上がり、あくまでもGHQによる押し付けではなく、財政当局自らの判断として断行されたと記録されている。

(参考:東洋経済2013.9.21より)

10/17〜月末に掛けてデフォルトの懸念されるアメリカにおいては、対外債務調整と国内債務調整のうち、対外債務に占める比率が圧倒的に高い点が大きく異なる為、同じ方法論は通用しないであろう。

国内向けには通貨切り替えを行いつつ、対外債務保障を段階的に対応(誤魔化し)ながら、軟着陸の方策を辿ることになるのでは無いだろうか。
 
 
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