法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
282124 アメリカの言いなりで失敗した司法制度改革
 
THINKER・鶴田 HP ( 40代 自営業 ) 13/10/10 AM11 【印刷用へ
 前回の投稿で、暴力団や探偵社から依頼を受けた司法書士や弁護士が、一般市民の戸籍謄本を不正取得していた件について書いた。ここでは、弁護士や司法書士のように高い教育を受けた人間が犯罪に手に染める背景について考えてみたい。

 「石を投げれば弁護士に当たる」と言われるほど弁護士の多いアメリカは、訴訟社会として知られる。そのアメリカが、かの悪名高き「年次改革要望書」で、数々の制度改革を90年代に日本に要求してきた。その項目の一つに「司法制度の改革」があった。アメリカに司法制度の改革を迫られた日本政府は、国民に対してはもっともらしい説明をした。「国民が司法制度を利用しやすくするため」また、「国民を司法制度に親しみやすくするため」である。その具体的な目的は、弁護士を増やして社会の隅々まで行き渡らせることと、一般市民を裁判に参加させることだった。そして、2001年に司法制度改革が行われた。ほとんどの人には、寝耳に水だっただろう。

 まず、国の財政支援で法科大学院(ロースクール)が増設され、弁護士を量産する計画が立てられた。その結果、(実際には予備校の実績が大きいが)かつては年500人程度だった司法試験の合格者の数が、2007年以降には年間2000人と約4倍に増え、弁護士の数も2001年の1.8万人から2012年までに3.2万人と急増した。
当時のマスコミも政府のこの動きに同調した。NHKでアメリカのテレビ番組「アリー・マイ・ラブ」といった弁護士をイメージアップするドラマが放映されていたことを覚えている人も多いだろう。弁護士の増員や裁判員制度の導入、訴訟社会へと日本を改造させるべく世論形成が行われていたのである。

しかし、その一方で政府が見込んだ弁護士の需要はこの日本では増えなかった。何事も他人のせいにしてすぐに訴訟を起こすアメリカ社会とは勝手が違ったのだ。弁護士の仕事で増えたのは、せいぜい借金の過払金返還請求ぐらいで、他の依頼は以前より減少傾向にある。その結果として、多大な苦労と多額の借金までして手にした弁護士資格を持っていても、食えない若手弁護士が増えてしまった。
先述の戸籍謄本・住民票の不正取得は、このような食えない若手弁護士の一部や彼らの名義を使うブラックな法律事務所によって行われている。もちろん、こういった犯罪に手を染めるのはごく少数だろうが、その元をたどれば、司法制度改革を迫ったアメリカであり、そのアメリカをコントロールする少数の金融資本家に行き着く。彼らの要求する司法制度改革は社会を訴訟問題で蔓延させ、法律知識のない一般市民に他の市民を断罪させることに他ならない。(※冤罪も多く、捜査や尋問の過程が完全に可視化されなければ、無実の人を投獄してしまう可能性も大きい)

 さて、2013年の10月初頭からアメリカ政府の一部が機能停止になっている。没落したアメリカの要求をいまだに絶対命令として従う日本の姿勢は非常に時代遅れの感がある。アメリカの一極支配はすでに終焉しており、今後は中国・ロシア他の新興国を中心に共生していく多極化世界になるという見方が大勢であり、アメリカ自身もそれを望んでいることだろう。
アメリカの金融崩壊直前の静けさともささやかれる今、これまでのように行儀正しくアメリカの要求に従うことは百害あって一利なしである。司法制度改革しかり。経済紙でも「ロースクール解体論」が叫ばれているほどだ。社会の上層から末端まで、誰にとっても良くない改革だったと言えるだろう。
 
 
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282207 10月11日金(一オンス1263ドルまで下落  〜NEVADAブログ 岸良造 13/10/12 PM09
訴訟社会への変化を強要する年次要望書 「にほん民族解放戦線^o^」 13/10/11 PM03

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