記録的な猛暑となった今年の夏。しかし奇妙なことに、去年と打って変わって「電気使用量制限」や「計画停電」の話は一切出ませんでした。それはオリンピック招致と関係していたのでしょう。
オリンピック招致委員会と東京オリンピック招致委員会のやり取りが公開されていましたので、紹介します。(リンク)
■以下引用・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( 前 略 )
<質問>
負荷及び信頼性の観点から見て、既存の配電システムで、想定されるオリンピック競技大会の需要を満たすことは可能ですか。
・可能でない場合、大会際期間中を含めて、大会開催までに発電・送電・配電設備で必要とされる改善/さらなる開発について説明してください。
・各プロジェクトの完成日を示し、資金調達の方法や、必要となる国や地方の機関の助成金について説明してください。
<回答>
■既存の電力供給能力
東京では、既存の配電システムで2020年東京大会で発生する追加需要に対し、対応することができる。
東京都内の電力は、主に世界最大規模の民間電気事業者の一つである、東京電力株式会社により供給されている。東京電力株式会社の電力供給力は、東京都を含めた東京電力管内において、2011年3月ピーク時で、東日本大震災直前には5200万kwであったが、震災直後には原子力発電所と火力発電所が停止したことにより3100万kwに減少した。しかし2012年7月には火力発電所の復旧や新たな電源設備の設置などにより5786万kwまで回復している。
その結果2012年7月〜8月の最大電力需要が5078万kwであったため、708万kwの予備力があり、2020年東京大会で発生する追加需要に対して、既に十分に対応可能な状況にある。
■既存の発電設備
東京都内において東京電力株式会社が保有している発電設備は、現在次の15箇所である。
・石油火力発電所1箇所
・都市ガス火力発電所1箇所
・内燃力発電所10箇所
・地熱発電所1箇所
・水力発電所1箇所
・風力発電所1箇所
東京都内において、東京電力株式会社が所有している原子力発電所は存在しない。
また東京電力管内では、さらなる安定的な電力供給を図るために、下記の対策が講じられ、電力供給能力が2020年東京大会までに増強される。
・2012年7月25日に東京電力株式会社が提出した「資源生産性革新計画」が国に認定された。この計画を基に試算すると2015年までに、既存の火力発電所の増強や、火力発電所の新設により、約04万kwの電力供給(うち210万kwは既に概ね整備完了で、2013年に稼動予定)が増加することになっている。これらの火力発電所の増強・新設は国の支援を受けて実施される。また東京都も「2020年の東京」により新たな東京産電力として大規模出力の発電所の建設を検討している。
・東京電力管内では、東京電力の他にも、近年の電力事業の自由化などの法改正等により、東京ガスグループが全部で198万kwの天然ガス発電所を建設・保有するなど、新たな電力供給も進んでいる。
・東京電力管内では、管内の発電所のみでなく、東京電力管内の中部電力管内を結ぶ電力の地域連係線について、国により2020年を目標に、現状の104万kwを210万kwに増強するなど、地域間相互に融通できる電力も増加する。こうした措置により電力供給能力をより臨機応変に利用することが可能となる。
・日本国政府のもとに設置された「エネルギー・環境会議」が、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ2012年9月14日に国家の新しいエネルギー戦略である「革新的エネルギー・環境戦略」を決定したが、その中においても「低廉で安定的な電力供給を実現する」ということが記載されている。
■引用終わり・・・・・・・・・・・・・・・・
東京の電力は十分足りているようです。しかも原子力発電ではなく火力発電を中心に今後も進めていくような内容になっています。本当かな??
しかも東京電力は原子力発電所を持っていないかのような書き方になっています。
そしてオリンピックを東京に呼び込むため、東京を繁栄させるために、東京都も東京電力も福島と一切関わりがなく、福島を切って捨てるような感じにさえなっています。これが今の政権の基本的な考え方なんでしょう。逆に言えば欧米のスタンダードに近づいているということなのかもしれません。 |
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