生命原理・自然の摂理
279637 微生物・細菌による環境浄化作用@
 
西谷文宏 ( 36 建築設計 ) 13/07/28 PM09 【印刷用へ
生物史ブログで伝統的発酵食品の健康への有効性を追求するなかで、様々な有用微生物・細菌が存在することを(今更ながら)知りました。
微生物・細菌類はその生態構造は単純ですが、それゆえに環境への適応(≒変異)が早く、太古の昔から地球上の様々な環境に適応してきました。
現在、このような微生物・細菌の環境適応能力を多方面に活用する研究が進められています。
発酵食品など、人類は昔から自然の摂理を観察する中で、微生物・細菌類の活用を図ってきましたが、現在はクリーンエネルギー利用や環境浄化作用への利用が期待されており、その開発に大きな注目が集っています。

まだ調査・探索中ですが、これら微生物・細菌類を利用した環境浄化の事例について紹介します。

■放射性物質を除却する藻「バイノス」と「ミカヅキモ(Closterium moniliferum)」、細菌「ロドコッカス・エリスロポリス」
微生物・細菌を利用した環境浄化として現在最も期待される、放射性物質の除却。いくつか研究が進んでいるが、確実な有効性が確認されているものに「バイノス」と「Closterium moniliferum(ミカヅキモの一種)」がある。

○バイノス
 カネカ、学校法人北里研究所(東京・港)などの産学グループは放射性物質を含む汚染水を効果的に浄化できる粉末剤を開発した。微細な藻類が主原料で、放射性物質の吸着剤である鉱物ゼオライトなどに比べ浄化能力は5倍以上で、廃棄物の処理コストも下げられるという。東京電力は福島第1原子力発電所の事故で発生した汚染水の浄化システム向けの吸着剤として採用を検討している。
 北里研や東邦大学、山梨大学の分析では、バイノスは約20種類の放射性物質を細胞に取り込む性質がある。福島第1原発事故で問題となっているものと同等の高濃度汚染水1リットルに乾燥させたバイノス5グラムを投入すると、約10分でセシウムやヨウ素を40%、ストロンチウムを80%除去できる。放射性物質の種類によって、ゼオライトなどの5〜20倍の量を吸着することも判明したという。
 取り込んだ放射性物質は細胞外に溶け出さず、浄化後に脱水して水と放射性廃棄物を簡単に分離できる。ゼオライトを使う場合に比べ廃棄物量や処理コストも大幅に減らせる見通し。これらの作用の詳細なメカニズムは今後、解析を進める。
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○Closterium moniliferum(ミカヅキモの一種)
 アメリカのノースウェスタン大学の研究員たちはミカヅキモ(Closterium moniliferum)がストロンチウムを結晶化して隔離する事を発見しました。
 ストロンチウムの同位体ストロンチウム90は非常に高いエネルギーの放射線を出すだけでなく、カルシウムに構造が似てる事から、少量でも特に危険な物質として知られています。さらに残念なことに、原子炉廃棄物の中で、ストロンチウムはカルシウムの10億分の1しかないため、区分するのが非常に難しいとのこと。
 そこでClosterium moniliferumの出番となるわけです。この藻はバリウムを必要としますが、ストロンチウム90はバリウムとも構造が似ているので、その藻はストロ ンチウム90を吸い上げ結晶化するというわけです。そこで研究者達はバリウムと一緒に藻を汚染された地域にまくことでこのプロセスを加速させれば、ストロ ンチウムの除去ができるのではと考えたそうです。
 藻が放射線に耐えられるかどうかなどの問題もありますが、この方法が成功すれば、1時間足らずでストロンチウムを除去することができ、コストと時間の大幅な節約になると期待されてます。
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○ロドコッカス・エリスロポリス
 この細菌はセシウム137を約10分の1まで、減少させることを国立環境研究所の冨岡典子主任研究員らのグループが、過去の研究で実証確認しているという。
 何故、過去にその研究をしていたかというと、チェルノブイリ事故では当時、今程、高性能に放射能(放射線)を調べるモニタリング(監視)装置が無かった。そこで冨岡研究員は土壌に広く生息する放線菌の一種ロドコッカス・エリスロポリスという細菌がセシウム137の放射物質を吸収することを発見したことで、当初はそれによる微生物センサーの位置付けで土壌における放射能の吸収のモニタリング用としてしての転用可否の研究が主だったらしい。
 超簡単に説明すると、この細菌の生命活動に必要なカリウムを水分から取り込む際のイオンのサイズが、水中に溶け込んだ放射物質のセシウムのイオンと似ていることで細菌がセシウムのイオンも細胞内に取り入れることを突き止めた。これを約10年掛けて研究されたスゴイ人なのだ。つまり細菌は勘違いしてセシウムを取り込むということになるらしい。
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Aに続く
 
 
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