日本人の起源(縄文・弥生・大和)
270746 縄文から弥生への婚姻様式の変化〜共認風土に取り込まれていく渡来人〜
 
匿名希望 12/11/22 AM02 【印刷用へ
縄文後期から弥生にかけて渡来人(江南人)が3波にわたって日本に漂着した。

3,000年前に渡来した第1派の江南人は、縄文ブログにもあるように渡来人は縄文人にほぼ完全に融合していったと思われる。この段階での表面的な現象としては、稲作が開始されたことが挙げられるが、土器の様式は未だ縄文のままであり、また渡来人によって持ち込まれた稲作も大規模化せず、それまでの畑作の延長程度でしかなかったことからも、縄文社会の構造はそのまま維持されていたと思われる。

縄文社会に変化が起きたのは2,450年前の渡来人である呉人以降だろう。
稲作水田は大規模化し、環濠集落が生まれ階層化した村社会の構造が現れてくる。この時代の呉人は大陸での略奪闘争の負け組みだが、私権闘争を経験し支配社会のパラダイムを始めて日本社会に取り込んだのがこの第2波の呉人と思われる。

社会(集団と集団の関係世界)の基礎部には、婚姻制度=男女の有り様が存在する。上記渡来人による婚姻制度の変化が、高群逸枝氏の「日本婚姻史」からも読み取れる。

〜「日本婚姻史」高群逸枝より〜
>日本では、二群単位とはかぎらず、二群でも三郡でもが集落をなし、その中央に祭祀施設のあるヒロバをもち、そこをクナドとし、集落の全男女が相集まって共婚行事をもつことによって、族外婚段階を経過したと考えられる。
〜ここまで〜

詳細は省略するが、縄文前期までは単一集団内での族内婚のみであったが、集団規模が大きくなっていく縄文中期から後期は、村と村の要路がヒロバとなり、全男女を対象とした族外婚(クナド婚)が形成されていった。このクナド婚は、それまでの族内婚であった全員婚を、そっくりそのまま族外にも適用した婚姻様式であり、共認充足を第一とする縄文社会を端的に現したものであるといってよい。

そして、第2波の渡来人によって、このクナドも変化を見せる。

〜「日本婚姻史」高群逸枝より〜
>しかし、そうした日本も、縄文中期以降は、ようやく集落を定着させて、農耕段階へと進みつつあったと思う。それにつれて婚姻形態も、一方では族外群婚を発達させたが、また他方では北アメリカで20世紀初頭までみられたような母系制的対偶婚への道をひらこうとしていた。紀元前2、3世紀のころに移入されたといわれる水田農耕の普及は、社会関係を複雑にし、孤立した氏族集落対から部族連合体への道が開け始めた。
〜中略〜
>なおクナド婚は市場や入会山で威力を発揮し、部族連合の一つの動力となって活動したが、その方式に特記すべき変革が起こった。それは神前集団婚から神前婚約が始まり、それによって男が女の部落へ通う妻問形態の個別婚を生み出したことであった。
〜ここまで〜

ここでいう対偶婚は渡来人によってもたらされた婚姻様式。大規模水田とともに新たなパラダイムで縄文を取り込み、そのことによって全員共婚のクナド婚から、対偶婚、さらに時代が進み妻問婚への個別婚へと表向きの婚姻制度が変化していったことが伺える。ただし、これはあくまでも表向きで、実態の性関係はクナドが根強く残り続けていくようだ。

〜「日本婚姻史」高群逸枝より〜
>クナド婚の場所で、こうした神前婚約が成立すると、男が女に通う妻問形態の個別婚が新しい時代に照応する正式の婚姻制として表面化してくる。しかし、そうなっても、群婚原理はまだ容易にたちきれず、婚約した相手だけでなく、相手の姉妹や兄弟にも波及する。
〜ここまで〜

このように、この全員共婚であるクナド婚は、その後日本の村落共同体では様相を少しずつ変えながら根強く残り続けることになる。(夜這婚はその系譜にあるだろう) むしろ興味深いのは、妻問婚を持ち込んだ渡来人でさえ、共認充足に導かれて実態はクナド婚へ傾斜しているように見える点だ。支配者側であった渡来人は、表向き血筋を明らかにするために個別婚である必要があったが、縄文の共認風土に導かれて平和裏に共存していく様子が婚姻様式にも現れているように思える。
 
 
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