脳回路と駆動物質
267023 匂いによる母子認識〜哺乳類は胎児の段階から母親の匂いを学んでいるらしい。
 
ET 12/07/28 AM01 【印刷用へ
>哺乳類の母子関係において、「匂い」が母親の授乳を含めた子育て行動
に向かわせるスイッチになっていることがわかりましたが、ヒツジの例の
ように「我が子」を認識して我が子にだけ子育て行為を行う理由がどこに
あるのかが疑問として残ります。確実に子どもに授乳するための本能機能
なのでしょうか?もう少し追究していきます。266976

現代の人間ならば「我が子」っていうのは理解できますが、たしかに動物
でも同じなのは何故なんでしょうね。
いくつか関係するサイトがありましたので、紹介します。

・母子関係にはプロラクチンというホルモン物質が密接に関係している。
・プロラクチンを欠損すると母性行動が見られない。
・哺乳類は生まれた段階で嗅覚が完成している必要があり、胎児の段階
 から母親の匂いを学んでいる。

●母子関係をつかさどるホルモン「プロラクチン」リンク
赤ちゃんを産んだ動物にはどんな変化が起こるのでしょうか? 
母親の体内には出産の少し前から「プロラクチン」というホルモンの分泌
が急激に増え始めます。プロラクチンのよく知られた作用は乳腺に働きか
け母乳を作ることですが、プロラクチンには脳に働きかけ、赤ちゃんを可
愛いと思う気持ちを強くする作用もあることがわかっています。それが可
愛い赤ちゃんを守りたい、育てたいという母性行動につながるわけです。
こうした現象は鳥類でも起こり、ニワトリが産んだ卵を我慢強く温めてい
る時にもプロラクチンの分泌が増えています。興味深い事例として、卵を
温めているニワトリは子猫を羽根の中に抱え込んで卵のように温めたそう
です。これはプロラクチンにより母性愛が強くなっているからです。

●プロラクチン欠損型の母性行動リンク
プロラクチンは脳下垂体前葉で産生分泌されるホルモンでありその主要な生理作用として哺乳類の乳腺の発育促進作用がよく知られているが、脳に作用して母性行動の誘導にも働く。
プロラクチンノックアウトマウスは予想どおり卵巣におけるプロゲステロン合成の不全により雌が不妊となり、またミルクを産生するための乳腺胞の発育不全が認められた。

母性行動に関してはプロラクチンノックアウトマウスの雌は不妊であるため自身の仔に対する母性行動は観察できない。 しかし、マウスやラットではバージンの状態でも仮仔を同一ケージに入れると、仔を巣に集めて上にかがみ込むという母性行動が観察される。

また、胎児期には胎盤でプロラクチンと同様の作用を有する胎盤性ラクトゲンも産生されている。 したがってプロラクチンのノックアウトマウスは自身ではプロラクチンを産生することはできないが、胎仔期および乳仔期に母親由来のプロラクチンおよび胎盤性ラクトゲンが脳へ作用することにより、将来の母性行動の発現に必要な神経回路が形成され、成体時に自身でプロラクチンを合成出来なくても母性行動に異常がなく、一方、プロラクチン受容体のノックアウトマウスでは胎仔期や乳仔期にも全くプロラクチンおよび胎盤性ラクトゲンの作用を受けないため必要な神経回路が形成されず、成体時に母性行動不全をきたすと考えられる。

●胎児の段階から母親の匂いを学んでいるリンク
存在が知られているおよそ四千種のほとんどすべての哺乳類において、新
生児を最初の食事に導くのは匂いなのである。したがって、すべての哺乳
類は生まれた瞬間から完全に機能する嗅覚をもっていなければならない。
実際には、子宮の内部にいるときから嗅覚を使いはじめる哺乳類もいるほ
どなのである。
トレースできる揮発性物質を妊娠中のネズミの静脈内に注射して、その胎
児をちょうど一時間後に帝王切開によって取り出してみると、その脳の内
部にはすでにその物質の痕跡が見られる。しかも、それは胎児の脳の中で
もメインの嗅球の部分ではなく、ヤコブソン器官から信号の供給を受けて
いる副嗅球の部分に見られるのだ。
ヤコブソン器官はこの時点ですでに、まだ生まれていない胎児が羊水から
母親の匂いを学びとるシステムの一部となっているらしいのである。
 
 
 
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