民主主義と市民運動の正体
262192 3/11なんでや劇場4 脱貧困の素朴な願いが民主主義を媒介して、自我・私権欠乏にスリ変わる
 
岡田淳三郎 ( 70大 経営 ) 12/03/15 AM00 【印刷用へ
引き続き、なんでや劇場で展開された議論の要約です。

以上見てきたように、社会運動の原動力となっていたのは、大衆の貧困からの脱出期待(願望)であるが、これは民主主義というイデオロギーでもなく、私権欠乏でもない、大衆の素朴な願いである。
ということは、民主主義も私権欠乏もどちらも騙しであることが容易に想定される。

【1】私権社会の騙しの構造
私権統合という社会フレームの中では、貧困からの脱出という素朴な願いは私権闘争に収束するしかない。従って、貧困からの脱出という真っ当な願望も私権欠乏に転倒してしまう。

そこでは、運動をすればするほど、私権欲求と自我が肥大してゆき、もともとの素朴で本源的な願いは正反対のものに転落してゆく。そうである以上、私権統合という社会フレームを変えることはできない。

これは、私権社会が持つ根本的な騙しの構造である。従って、私権社会の要求運動は、どのような運動であれ、はじめから自滅的な枠組みの中に閉じ込められている。

【2】民主主義の騙しの構造

また、活動家たちは運動を始めた当初は、大衆を貧困から救うべき対象と見ていた。これ自体は大衆を救おうとする素朴な願いであり、ここまでは真っ当である。

ところが、近代の活動家たちが依拠するのは、民主主義という自己正当化観念である。その結果、大衆を救おうとする素朴な願いが民主主義という自己正当化観念を媒介にして、他者否定・自己正当化の欠乏にスリ変わってしまう。

そうなると、もはや大衆は救いの対象ではなく、自分の主張に巻き込むべきor扇動すべき対象にスリ変わる。自分のイデオロギーを大衆に押し付けるだけになり、「大衆は何を求めているのか?」と大衆に同化しようとする姿勢を消失させてしまう。

元々は大衆に期待するor救うという本源的地平であったものが、民主主義という近代観念を旗印にした結果、大衆に押し付けるだけor自らの押し付けに乗ってくれることだけを大衆に期待するようになってしまう。

序3で「市民運動の活動家たちは、もっぱら大衆の意識の変革に期待してきた」とあるのは、彼らが運動を始める前の元々の課題意識であり、
「大衆にさえ何も期待していなかったのだと言わざるを得ない。要するに、彼らは、自分に都合のいいイデオロギーを大衆に押し付けようとしていただけであり、彼らに在るのは、甘言で染められた自己正当化のイデオロギーだけであった」というのは、民主主義に染まった結果、自我欠乏にスリ変わった後の活動家の意識を表している。

そして、「この甘言を信じた結果、多くの有為の若者が出口のない袋小路に追い詰められ、自滅していった」という自滅構造は、この騙し構造と表裏一体である。

【1】真っ当な貧困脱出願望が、私権欠乏と自我肥大にスリ変わる。
【2】救いの対象であった大衆が、扇動の対象にスリ変わる。
これが、騙しの構造であると同時に、多くの若者が自我肥大した結果、大衆から断絶し自滅していった構造でもあるが、更にもっと決定的な騙し=自滅の構造が存在する。
 
 
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