私権原理から共認原理への大転換
255104 私権収束から共認収束への大転換
 
岡田淳三郎 ( 70代 経営 ) 11/08/04 AM10 【印刷用へ
米・欧・中の崩壊を以って、近代社会は終焉する。
だがこれは、単に近代300年の終焉ではなく、古代以来5000年に亙る私権社会の終焉である。言い換えれば、力の原理の終焉である。

なぜそう言えるのか?

私有制度に基づく社会では、誰もが、私権(地位や財産)の獲得を目指して争う。教科書に載っているいわゆる文明社会とは、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会に他ならない。
当然、そこでは私権の獲得に必要な力(武力や資力)がものを言うことになり、力の弱い者は力の強いものに従うしかなくなる。力の原理である。

しかし力の原理が働くには、一つの大きな前提条件がある。それは貧困(飢餓)の圧力である。貧困の圧力が働いているからこそ、誰もが私権に収束し、力の原理が貫徹される。
実際、古代〜近代を貫いて、紛れも無く人類は常に貧困の圧力に晒されてきた。だからこそ、力の原理が支配する私権社会になったのである。

ところが’70年頃、先進国では豊かさがほぼ実現され、貧困の圧力が消滅してゆく。その先頭に立つことになったのが、日本である。
貧困が消滅すると、私権を獲得しようとする欲求=私権欠乏が衰弱してゆく。従って、物的欠乏も衰弱し、市場は縮小せざるを得なくなる。
また、貧困が消滅すると、誰も私権獲得のためにあくせく働こうとはしなくなる。従って、活力が衰弱し、指揮系統も次第に機能しなくなってゆく。
つまり、’70年、先進国は大きな転換点を迎えていたのである。

しかし、社会の統合を担う学者や官僚やマスコミや政治家etcの旧勢力は、この新しい状況をまったく把握できず、「市場拡大は絶対」というイデオロギーに凝り固まって暴走してゆく。
彼らは、不足する需要を補うべく大量の国債を発行して、見せかけの市場拡大に血道をあげてきた(実際、元々ゼロだった国の借金は、’70年代から急速に増大していき、今では900兆円にも達している)。
その結果がバブル経済であり、その果てが今回の国債経済の破綻であり、迫りくる米・欧・中の壊滅である。

まさに無能の極みであるが、ここで、社会の統合を担う受験エリートたちの無能さを、従って「もはや彼らには任せておけない。自分たちで統合課題を担うしかない。」ということを、大衆はしっかりと頭に刻みつけておく必要があるだろう。

他方、それほど旧観念に毒されていない普通の人々は、’70年以降、私権収束から脱して共認収束を強めていったが、それは貧困の消滅に伴う必然的な帰結である。
なぜなら、貧困の圧力に基づく私権の強制圧力が衰弱してゆく以上、人々が人類本来の共認原理に回帰してゆくのは必然だからである。
現に、大多数の普通の人々にとって、人々の期待に応える充足こそが最大の活力源になっており、今やこの期応収束⇒課題収束こそが、中心的な意識潮流となって健在化してきている。
さらには、このような潮流の中から、共認原理に則った共同体を志向する企業が次々と生まれてきている。
つまり人々は、この40年の間に、旧勢力(受験エリート)の暴走を横目で見ながら、彼らとは別のもっと深い潜在思念の地平で、見事に私権収束から共認収束への大転換を成し遂げたのである。

物的な豊かさが実現された以上、私権収束⇒私権統合の社会が終焉し、共認収束⇒共認統合の社会(人々が、状況を共認し、課題を共認し、規範を共認し、それらの共認内容に収束することによって統合される社会)に移行してゆくのは必然である。
現在の、意識潮流の先に人々が求めているものも、間違いなく共認社会(古い言葉で言えば、共同体社会)であると言えるだろう。

(続く)
 
 
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